【環境学者に聞く】「SDGs」で日本が果たす役割は?

【環境学者に聞く】「SDGs」で日本が果たす役割は?

【環境学者に聞く】「SDGs」で日本が果たす役割は?

6月5日は「世界環境デー」。SDGs研究の第一人者で国連の報告書とりまとめにたずさわっている環境学者の蟹江憲史さんに日本が果たす役割について話を聞きました。

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SDGsとは、国連が掲げる「持続可能な開発目標」で貧困をなくす、飢餓をゼロにするなど17の目標を掲げられています。

コロナウイルス感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻が、SDGsにどのような影響を与えているのか、日本におけるSDGs研究の第一人者である蟹江憲史さんに話を聞きました。

ーー世界のSDGsの現状は?:戦争とコロナは非常に強いインパクトをSDGsに及ぼしてたので全的的な進捗は非常に芳しくないです。

コロナでは健康に影響があるのはもちろんのこと、格差が広がったり貧困の方が増えていたり、教育へも大きな影響を及ぼしています。

またウクライナ侵攻については、SDGs目標の16番「平和と公正を全ての人に」から全く逆行しています。

コロナと戦争でSDGsへの関心が全体的に低くなったという話が国連周りで聞かれるようになり、「レスキューSDGs」ということが最近は話されています。

ーー再びSDGsに関心を持ってもらうためにはどうすればいいでしょうか?:コロナや戦争をきっかけにして変革をうまく取り入れて広げていくことができるかもしれません。

例えば、食料や燃料が今高騰していますが、これをきっかけにサプライチェーンを変えていく。

「グローバル」ではなくて「ローカル」なサプライチェーンの方が持続可能になるのではないかということを模索する動きが出てきていると思います。

ーーグローバルよりローカルを重視するとは?:SDGsとはとかくグローバルなものでローカルはあまり関係ないと思いがちかもしれません。

しかし、ローカルの中で資源を回していくとか、エネルギーを使って地産地消していくというところがグローバルな目標を達成するためにも必要ということなんです。

ローカルを見直して作り直していくということが具体的にやっていく話かなという気がします。

ーー日本がSDGsで果たす役割とは?:保健衛生の分野ですとかあとは教育ですね。

今はSDGsの関心が非常に高まってきて、学校の試験問題でも出たりするので若い人はSDGsについて考える機会があると思います。

日本は持続可能な開発のための教育で結構進んだ取り組みをやってきているので世界の手本になるところもあります。

言葉の壁もあって世界に向けてなかなか発信仕切れていないと思うので、発信していくことで日本の魅力が増すと思います。

あと緒方貞子さんが唱えていたことなんですが、「人間の安全保障」もありますね。

「人々が恐怖と欠乏から解放されて、尊厳を守ることができるような社会作り」を目指すという概念です。

国際的にも色んな議論が行われていますが、コロナや戦争で個人の安全をどう守っていけるか、日本の外交の強みとSDGsをつなげていくことができると思います。

国連で持続可能開発報告書のとりまとめに携わっている蟹江さんによると、前回報告書を作成した2019年に比べて色んな分野で具体的な行動が進み成功と失敗が重ねられているといいます。

今後は、取り組みの結果を科学者グループで検証した上で、さらに持続可能な社会への取り組みを大きい流れにしていきたいということです。

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