ロシアと中国“軍事協力”の脅威・・・365日の警戒監視「P3C」哨戒機 最前線を取材(2022年6月2日)
青森県にある八戸基地。海上自衛隊の第二航空隊が拠点を置いています。
北海道周辺から日本海北部にかけて、日本とロシアを隔てる海上を常時、監視しているのが『P3C哨戒機』です。
最前線で警戒に当たる哨戒機。その内部では、どのような任務が行われているのでしょうか。許可を得て、特別に取材することができました。
この日の任務は、日本海側から津軽海峡の上空を回る監視飛行です。徐々に機体は上昇し、高度は4000メートルを超えています。
第22飛行隊長・中川蔵太2佐:「警戒監視は、1年365日、欠かすことなくやっている。兆候察知のため、途切れることなく、実施することが重要」
ウクライナ侵攻後、最も重要な監視対象となっているのがロシア軍の船舶です。去年1月~5月、日本周辺んで確認されたロシア軍の船舶は12隻。ところが、今年はすでに64隻。侵攻が始まる直前の2月ごろから、その数は急激に増えています。
今年3月、津軽海峡を通過した戦車揚陸艦。P3Cから撮影された写真には、甲板上に軍用車がびっしりと積まれていました。こうした軍艦が、カムチャッカ半島にある基地からウラジオストクを経由し、戦車や兵士をウクライナに輸送しているとみられています。
ロシア軍の船舶かどうか見極めるために必要な作業が“識別”と呼ばれる任務。高度を下げて、対象となる船舶に一気に接近し、写真を撮影します。
ウクライナ侵攻後、日本周辺でも動きを活発化させるロシアに加え、いま、特に目を光らせているのが、中国です。
第2航空隊司令・前田忠久1佐:「最近の変わった動向として、中国とロシアの親密度、合同で一緒に訓練したり、その頻度が非常に大きくなった」
先月24日には、中国包囲網を目指す日米豪印=クアッド首脳会合の真っ最中にロシア軍が中国の爆撃機とともに日本周辺で編隊飛行を強行しました。
過去にもロシアと中国が、日本周辺で軍事演習を実施することはありましたが、その頻度や規模が徐々に拡大するなど、軍事的な結び付きは、さらに強まっています。
大越キャスター:「ロシアと中国が共同で行動することの脅威の増大というのは大きいか」
第2航空隊司令・前田忠久1佐:「我々としては、脅威として感じるところ」
大越キャスター:「ウクライナの侵攻は、自信の任務を見つめ直す機会になったか」
第2航空隊司令・前田忠久1佐:「あくまで私的な意見だが、普段から備えることは、非常に大きい。脅威というのは、意図×能力とよくいわれている。その意図であるとか能力、そこをよく見極めるためにも、普段からの積み重ねの監視、積み重ねた努力のもとに成り立っているのではないか」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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