“バイデン氏の後頭部に撃った”報道も・・・北朝鮮、けさ3発“弾道ミサイル”(2022年5月25日)

“バイデン氏の後頭部に撃った”報道も・・・北朝鮮、けさ3発“弾道ミサイル”(2022年5月25日)

“バイデン氏の後頭部に撃った”報道も・・・北朝鮮、けさ3発“弾道ミサイル”(2022年5月25日)

 北朝鮮は韓国軍によりますと、25日朝、3発の弾道ミサイルを発射しました。バイデン大統領が日本を離れてすぐのタイミングでの発射に韓国メディアは「大統領の後頭部にミサイルを撃った」と報じています。

 このタイミングでのミサイル発射はやはり、バイデン大統領の日韓訪問に合わせた“挑発”なのでしょうか?

 岸防衛大臣:「日米、米韓首脳会談や日米豪印首脳会合が開催された直後にこのようなミサイル発射は明らかに挑発行動であり、断じて許されません」

 25日、岸防衛大臣は、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したと発表しました。

 いずれも日本海に向けて発射され、日本のEEZ=排他的経済水域の外に落下したといいます。

 韓国軍によりますと、北朝鮮が25日午前6時ごろと37分ごろ、42分ごろに計3発の弾道ミサイルを平壌近郊の順安(スナン)から日本海に向け発射したといいます。

 アメリカ・バイデン大統領が日韓を訪問し、24日、日米にオーストラリア、インドを加えた4カ国の枠組み「クワッド」が行われたばかり。

 ホワイトハウスによると、バイデン大統領はアメリカへの帰国中の機内でミサイル発射について説明を受けたそうです。

 アメリカ軍は声明で北朝鮮を非難し、同盟国などとの緊密な連携を強調しました。

 アメリカ軍の声明:「北朝鮮が複数の弾道ミサイルを発射したことを把握している。北朝鮮による違法な兵器開発が周辺地域にもたらす不安定化の影響を浮き彫りにしている。同盟国などと緊密に連携して対応を協議している」

 今回の日韓訪問の中では、日米韓が連携して北朝鮮への抑止力を高めていくことなどで合意していました。

 バイデン大統領。韓国を訪問した時、金正恩総書記について聞かれると・・・。

 アメリカ、バイデン大統領:「(Q.金正恩氏に対して滞在中、メッセージはありますか?)ハロー。以上だ」

 冷ややかな態度にも見えます。

 これまでアメリカは核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対話を呼び掛けてきましたが、北朝鮮からの返答がないからなのでしょうか・・・。

 また、こうも話しています。

 アメリカ、バイデン大統領:「金総書記との会談は金氏が誠実な態度を示せば応じる」

 金正恩総書記の態度次第だ、というのです。

 今のところ、アメリカ側から歩み寄る考えは一切なく、北朝鮮が対話に応じないならば、さらに圧力を強めていく方針で、アメリカ政府高官は、軍事挑発がエスカレートすれば、「アメリカ軍の態勢強化」も視野にあると北朝鮮をけん制しています。

 今回のミサイル発射について、バイデン大統領が帰国中だったことから、韓国メディアは「バイデン大統領の後頭部にミサイルを撃った」と報じています。

 「朝鮮日報」(25日付):「(バイデン大統領が)ワシントンに到着する直前に挑発が敢行されたのだ。バイデン大統領が韓国や日本に滞在する間、挑発する可能性を注視してきたが『目の前』からではなく『頭の後ろ』に向かってICBMを撃ったわけだ」

 韓国政府はミサイル発射を安保理決議違反で朝鮮半島と地域の緊張を高める重大な挑発だと糾弾しています。

 韓国軍とアメリカ軍は対抗措置として、早速、それぞれ1発ずつ、ミサイルを日本海へ向けて発射、北朝鮮の脅威に対する備えは万全だとしました。

 韓国軍合同参謀本部・広報室長:「北朝鮮のICBM発射などいかなる挑発にも断固として対応するという意志と韓国軍の圧倒的な戦力を示した」

 東アジア情勢を巡っては、24日、日米豪印のクアッド首脳会合が行われている最中、中国とロシアの爆撃機が編隊を組み、日本列島周辺を飛行しています。

 中ロが編隊飛行を日本周辺で行うのは、去年11月以来でロシアがウクライナに侵攻してから初めてです。

 韓国軍によりますと、発射された3発のミサイルの1発目は最高高度およそ540キロでおよそ360キロ飛行し、ICBM=大陸間弾道ミサイルと推定されるとしています。

 2発目は高度およそ20キロで消失し、3発目は最高高度およそ60キロでおよそ760キロ飛行したとしています。

 専門家は、3発のミサイルは違う種類だと推察します。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「まず1発目はおそらく火星17という新型のICBM。フルの発射実験には成功していないが、出力を落とした実験の可能性が高い」

 火星17は、今年3月にも発射されている新型のICBM=大陸間弾道ミサイルです。岸防衛大臣は、射程が1万5000キロを超える可能性があり、アメリカ全土が射程に含まれる分析を明かしています。

 そして3発目については・・・。

 軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏:「3発目はそのまま飛んで、飛び方から見て北朝鮮が極超音速ミサイルと呼んでいるもの。短距離弾道ミサイルに入るが、低い弾道で小さな翼を使って滑空するような飛行可能で距離が伸ばせるミサイルが発射されたものと思われます」

 そして、今回のミサイル発射について、専門家が注目する点は同時に異なる種類のミサイルを飛ばしたということです。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「同じ日にしかもそれほど時間も離れていない早朝の時期に3発。少なくともうち2発は全く別のミサイルでうち一つは失敗している。北朝鮮が何か新しい実験をしているのか、あるいは同時に何かをやる訓練を兼ねているのか、そのあたりも分からない」

 そして、違う種類のミサイルには、それぞれの“狙い”があるというのです。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「1発目が『火星17』。ICBMであれば間違いなくアメリカ本土に向けたもの。それの何かしらのチェックをして完成させたいのだと思う。3発目は明らかに日本、あるいは在日米軍を狙ったもの」

 相次ぐ北朝鮮のミサイル発射・・・。

 今月はすでに4回目、新型コロナの感染を発表してから2回目です。

 岸防衛大臣:「新型コロナウイルス感染症を拡大している状況にあっても、市民の命や暮らしを顧みることなく、核・ミサイル開発に注力し続けています。関連する安保理決議に違反するものであり強く非難致します」

 24日、北朝鮮メディアが発表した“発熱者”は11万6000人。

 4月末からの累計者数はおよそ306万5000人です。

 そんななか、懸念されるのが、北朝鮮の更なる“動き”です。

 松野官房長官:「今後、核実験の実施を含め更なる挑発行為に出る可能性があるものと考えています」

 日本側が警戒する“更なる挑発行為”・・・。

 ミサイル発射だけでなく、核実験も行う可能性があるというのです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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