『踏切内の点字ブロック』国内4例のみ 事故受けて整備進むが…全盲当事者は危険訴え(2022年5月24日)
今年4月に奈良県大和郡山市の踏切で目の不自由な女性が列車と接触して死亡した事故を受け、事故があった踏切周辺では新しく点字ブロックが整備されました。
大和郡山市にある近鉄橿原線の踏切で行われた点字ブロックの張り替え工事。市が約40万円をかけてブロックの枚数を増やしました。
この踏切では4月25日、目の不自由な50歳の女性が特急列車と接触して死亡しました。その後の警察などの捜査で、踏切手前にある点字ブロックの一部が剥がれ、本来必要な枚数が揃っていなかったことがわかったのです。
(大和郡山市 上田清市長 5月20日)
「重大な事故を受けて、安全対策に関する協議をスタートさせました」
5月12日、事故があった踏切の安全性を確かめる男性がいました。「奈良県視覚障害者福祉協会」の会長で全盲の辰巳壽啓さん(64)は、工事にあたっての市のヒアリング調査に協力した一人です。辰巳さんにとって踏切を渡ることは危険と隣り合わせです。
(奈良県視覚障害者福祉協会 辰巳壽啓会長)
「交通量が激しいし、あまり人も通らないし、電車の本数も多いので、リスクが高いと思います」
辰巳さんが問題視するのは点字ブロックが欠けていたことだけではありません。この踏切には4か所にしか点字ブロックが設置されておらず、辰巳さんは遮断機に沿って注意換気を示すブロックと、車道に沿って安全に視覚障がい者を誘導するブロックを設置するべきだと考えています。
しかし市は、雨が降ると自転車が滑る恐れがあることなどを理由に、設置は一部にとどめました。
一方、大阪府豊中市では、日本で初めて踏切の中に点字ブロックが設置されました。社会福祉施設が近くにあることから、2010年に約20万円かけて整備されました。
(大阪府池田土木事務所 山口ともさん)
「まずは鉄道会社さんにご協力をいただく必要がありますし、調整事はとても多かったなと思います」
踏切内の点字ブロックは国内では4例しか確認されていません。今後、視覚障がい者の安全をどう守っていくのか問われています。
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