「CANインベーダー」全国各地で多発・・・“高級車盗難”新たな手口【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年5月23日)

「CANインベーダー」全国各地で多発・・・“高級車盗難”新たな手口【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年5月23日)

「CANインベーダー」全国各地で多発・・・“高級車盗難”新たな手口【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年5月23日)

 今、全国で高級車の盗難が相次いでいます。埼玉では、今年1月から3月までの3カ月で、174件の被害がありました。早ければ、1分半ほどで車を盗まれてしまう可能性もあるということです。

■埼玉・“新手口”・・・左前方に大きな傷

 埼玉県川口市で、新たな手口による自動車盗難の被害が相次いでいるといいます。

 2年前に520万円で新車を購入したという男性。しかし・・・。

 被害者男性:「この位置に車が止まっていて、夜中の3時に取られた。朝7時半に家を出たら、父親に『車ないぞ』と言われて、見たら車がなくなっていた」

 今年3月、自宅の駐車場に止めていた車が、盗難の被害にあったといいます。

 被害者男性:「初めて買った新車だったので、大切にしていました。そんな簡単に持っていかれちゃうのは、本当にびっくりでした・・・」

 駐車場に設置された防犯カメラには、盗難の一部始終が記録されていました。

 黒い車に近付く2人の人物。1人は、車の助手席側へ。もう1人は、運転席側からライトで車の中を照らします。さらに、画面の奥からもう1人、車のほうへと近付く仲間の姿があります。

 辺りを警戒しているのか。1人は車から離れ、電柱の影へと隠れます。その間、車の左前方では、何らかの作業が続いていました。

 突然、車のライトが点灯し、サイドミラーが動き出します。すると、鍵が掛かっていたはずのドアが開けられ、そのまま走り去っていきました。

 わずか1分半という、信じられないスピードでの犯行。その後、盗難に気付いた男性は被害届を提出。すると・・・。

 被害者男性:「2日後に茨城で見つかった。一応、手元には戻ってきました」

 盗まれた車が見つかることは、少ないといいますが、自宅からおよそ60キロ離れた茨城県で見つかったと、警察から連絡がありました。しかし・・・。

 被害者男性:「ドアと窓が全部開かない状態で、左のタイヤホイールも切られていたり。カーナビとGPSが全部取られていた」

 左前方に大きな傷。そして、なぜかドアと窓が開かない状態になっていたといいます。

 被害者男性:「(警察から)『これは新しい盗み方で、CANインベーダーですね』って」

■京都・“高級車盗難”左前方狙い・・・

 京都で起きた「CANインベーダー」被害の一部始終を記録した映像です。

 帽子をかぶり、マスクで顔を隠した男が、止めてある車に近付きます。運転席側には、もう1人の男の姿があります。

 男はしゃがみ込み、映像でも車の左前方部分で、何かをしているのが分かります。

 部品のようなものを外す素振りを見せると、一度、車から離れます。5分後、男が再び現れると、大きな音を上げ、左前方部分をこじ開けると、男はコードのようなものを車の中に差し込みます。

 すると、車のロックが外れ、サイドミラーが動きます。もう1人の男が、運転席へと乗り込みます。よく見ると、運転席では、盗難防止のハンドルロックを切断しているのか、火花のようなものも見えます。

 そのまま、男たちは急ぐようにして逃走。ここまで、わずか6分ほどの犯行でした。

 被害者女性:「あっという間に取られるなっていう感じですね。プロの犯行やなっていう感じですね」

 盗まれたのは、およそ1300万円で購入した高級車。翌日には、警察から車が見つかったとの連絡がありました。しかし・・・。

 被害者女性:「自分で乗る時は、傷も作らないように大事に乗っていたので。見るも無残な感じで、すごいショックでした」

 被害者によると、車を盗んだ男は、警察に追跡されて逃走。車は、ガードレールにぶつかり、大破したといいます

 被害者女性:「それ(防犯カメラ)を見た瞬間に、(警察から)『これはCANインベーダーですね』っていうふうに言われて」

■「CANインベーダー」急増

 車を次々盗み出す新たな手口、CANインベーダー。なぜ犯行グループは、車の左前方で作業していたのでしょうか?

 車の盗難に詳しい日本カーセキュリティー協会に話を聞きました。

 日本カーセキュリティー協会・攪上智久代表理事:「最近は、CANインベーダーというのが、非常に増えております。(盗むのに)早い車種ですと、1分半。(時間が)かかるものでも、10分かからないで盗むことが可能」

 CANインベーダーとは、車の左前方部分にある「CAN」と呼ばれる車の通信システムに侵入する手口。モバイルバッテリーのような小さい特殊な機械を使い、早ければ1分半ほどで、ロックを外せてしまうといいます。

 車の左前方のドアの開閉やエンジンなどにつながる通信システムを犯行グループは、狙っていたといいます。

 埼玉県では、車の盗難が今年に入って増加。1月から3月までに被害に遭った件数は174件で、前の年と比べると1.7倍にもなっているといいます。

■盗難対策も“被害防げず”

 被害に遭った人の中には、盗難対策をしていた人もいました。

 被害に遭った中古車販売店・店長:「キーを缶のボックスに入れて、電波を遮断するシートを付けたりとかっていうのは、していたんですけれども。今回、それは全く意味がなかったので・・・」

 この中古車販売店では、販売する予定だった、およそ800万円の車が盗難に遭ったといいます。

 防犯カメラには、その時の様子が残されていました。今回の手口の特徴である左前方部分にしゃがみ込み、何かをしている様子が分かります。

 手には、車の通信システムに侵入するための機械でしょうか。モバイルバッテリーのようなものも見えます。

 被害に遭った中古車販売店・店長:「最初、本当にびっくりして。車自体には、セキュリティーは付いていたんですけれども、そういったものも一切鳴らずに。本当に、すんなりエンジン掛けられて、持っていかれてしまったという形ですね」

 キーを缶のボックスに入れ、電波を遮断する対策を取っていたこの店ですが、実はこの対策は、これまで多かった「リレーアタック」と呼ばれる手口を防ぐためのものでした。

 リレーアタックとは、車のスマートキーから出る電波を特殊な機器でキャッチし、リレーのように車まで中継して、ロックを解除するという手口です。

 男性が取っていた対策では、CANインベーダーには効果がないといいます。

 日本カーセキュリティー協会・攪上智久代表理事:「今まではですね。ご自宅に止めてあって、夜止めて、朝出掛けようと思ったら、車がないというふうなことが非常に多かったのですが。最近はですね、お出掛けになって、お食事をして、お店から出てきたら車がないというふうな話も、すごく聞くようになってきました」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年5月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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