“生徒の不安な心情”教職員がストライキ…法人理事長は辞任意向だが『説明予定ない』(2022年5月19日)
和歌山県の「私立和歌山南陵高校」で給与の未払いなどを理由に教職員がストライキを起こし、授業が一時行われなかった問題。学校法人の理事長が辞任の意向を示しました。
和歌山県日高川町にある私立和歌山南陵高校では5月11日、4月分の給与が支払われていないことなどから教職員がストライキを起こし、授業が行われない事態となりました。さらに、修学旅行先を海外から国内に切り替えた際の差額を返していないことや、料金が未払いで一時は寮のガスが止まっていたことがわかるなど、ずさんな運営実態が浮かび上がってきたのです。生徒たちは不安を隠せません。
(生徒)
「チャイムが鳴っても先生が来ないということで、最初何かあったのかなって。いきなり『授業はもうしない』という感じで言われてしまって。不安というか心配もありました」
「学校がなくなったら、自分は3年生なので、いま潰れてしまったら大学とか進路にもかかわってくるので、その部分が少し心配です」
「心配とか不安にさせないために学校のことはちゃんと説明してほしいなと思いました」
こうした中、新たな動きがありました。高校を運営する法人の理事長が、教職員に宛てた文書で、来週にも辞任する意向を示したのです。文書によりますと、5月23日に理事会を開いて新しい理事長を決める見通しで、未払いとなっている4月分の給与については5月20日までに支払う意向だというのです。
なぜこうなったのか、理事長に取材を申し込んだところ、後任の理事長との約束から生徒や教職員らに説明の場を設けないと話しました。
(理事長)
「新しい体制に水を差さないために、今後、保護者や生徒、先生との説明の機会は予定していない。取材もお受けできない」
理事長からの詳しい説明がないまま辞任してしまうかもしれない状況に、保護者は次のように話します。
(保護者)
「(次の理事長が)引き続き理事長の知り合いの方がなるのかもわからない。同じことをされるのではないかという不安しかないですね。きちんと然るべき説明会を開くべきだし、逃げずに対応していただきたいですね」
和歌山県は近く、法人の本部がある静岡県とともに現地を調査する方針です。
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