「その日から、空を見られなくなった」日本へ避難したウクライナ人女性2人が中学生に語ったこと|TBS NEWS DIG

「その日から、空を見られなくなった」日本へ避難したウクライナ人女性2人が中学生に語ったこと|TBS NEWS DIG

「その日から、空を見られなくなった」日本へ避難したウクライナ人女性2人が中学生に語ったこと|TBS NEWS DIG

ロシアによる侵攻後、ウクライナから日本への避難民はおよそ900人にのぼります。JNNは自らの体験を中学生たちに伝えるウクライナ人女性の活動を取材しました。

東京都内の女子中学校。ウクライナを逃れてきた2人の女性が訪れました。

ソフィア・ファンタイエヴァさん
「自分がどう見えているか、他人にどう思われているか、そんなことばかり考えていました。2月24日までは」

ナタリア・スルジクさん
「すべてを捨てて、別の場所に移り、最初からやり直さなければならなかったのです」

女子中学生に自らの体験を伝えるソフィアさんとナタリアさん。先月下旬、別々に日本に避難し、東京で知り合いました。

首都キーウ近郊出身のソフィアさん。ロシアの侵攻開始直後からミサイルや砲撃の音が周囲で響いていたといいます。

86歳の祖母らとともにいったんドイツへ避難しましたが、その後、文化などに親しみを持っていた日本へ単身、渡ることを決断。「支援者と日本に感謝している」と話しますが、複雑な感情もあります。

ソフィア・ファンタイエヴァさん
「私1人がウクライナから遠く離れ、安全に生活しているのが正しいことなのか分かりません」

ソフィアさんがかつて住んでいたのは、虐殺された疑いのある民間人の遺体が大量に見つかったブチャの付近だったのです。

ソフィア・ファンタイエヴァさん
「(ブチャで起きたことが)自分の街、自分に起きていたらと想像してしまいます」

ナタリアさんはウクライナで教員でした。ロシア軍が完全制圧に向け攻勢を強める東部地方に住んでいたことがあります。多くの友人がいるという現地が攻撃にさらされていることに感情を露わにしました。

ナタリア・スルジクさん
「そこにいる住民を守るためだといって他国にやってきて、住民を殺害する。どうしてそんなことができるのでしょうか」

侵攻が始まった時に2人は何を感じていたのか。

ソフィア・ファンタイエヴァさん
「突然、死が“ひょう”のように降ってきました。空は地獄のようになってしまいました。何も食べられず、眠ることもできなかった。その日、私は空を見ることができなくなりました」

「空が見えなくなった」。侵攻で日常が奪われた瞬間をソフィアさんはこう振り返りました。

そしてナタリアさんは。

ナタリア・スルジクさん
「ある時、何かが起きて、どこか別の場所にいかなければならない。その時、それまでのありふれた生活がどれほど重要だったか気づくんです。だから、皆さんが経験するすべてのことを心から楽しんでほしいんです」

“今の自分の時間を大切にして欲しい”。苦しい時を経験したからこそ伝えたいメッセージでした。

話を聞いた生徒たちは。

中学生
「すごく胸が痛くなって、印象に残りました」

中学生
「今、ウクライナの人たちは自分の国が奪われてしまっている状況なので、(他の人にも)会って励ましてあげたいと思います」

「実際に戦争を経験した人と初めて話をした」という生徒たちもいました。来日してまだ1か月も経たない2人。本格的な日本での暮らしがこれから始まります。

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