ロシア軍への“支持低下”独立系機関が世論調査 プーチン氏に影響は・・・専門家に聞く(2022年5月11日)

ロシア軍への“支持低下”独立系機関が世論調査 プーチン氏に影響は・・・専門家に聞く(2022年5月11日)

ロシア軍への“支持低下”独立系機関が世論調査 プーチン氏に影響は・・・専門家に聞く(2022年5月11日)

ロシア独立系世論調査機関『レバダセンター』の最新の調査によりますと、ウクライナに対する“特別軍事作戦”への支持率が、先月と比べて7ポイント低下しました。3月は81%、4月は74%でした。

◆防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きます。

(Q.支持低下をどうみますか?)

兵頭慎治さん:「ロシア国民の実感として、特別軍事作戦が長期化し、国際社会から経済制裁を科せられて国民生活に影響が及びつつあるなか、特別軍事作戦を支持する割合が低下傾向にあることが、調査結果から確認できたと思います」

戦争のなかで何を懸念するかについては「民間人や兵士の死、破壊、捕虜となること」「戦争がないことを希望」などが上位を占めています。ただ、『レバダセンター』特別顧問、レフ・グドゥコフ氏は「人々の死や損失は国民の大部分に知らされていない。ロシア全土に知れ渡るのは、夏の終わりか年末になる」と話し、支持率もそのあたりから下がってくるのではないかと予想しています。

(Q.プーチン大統領はこうした空気感を把握しているのでしょうか)

兵頭慎治さん:「プーチン大統領も国内の空気感は感じていると思います。9日の対独戦勝記念日の演説のなかでも『兵士の犠牲』に対して哀悼の意を表しながら、国内の世論に配慮するような発言がありました。支持率が高ければ、国家総動員を宣言することも可能だったと思いますが、戦果も示すことができず、国内世論に配慮する演説だったのだろうと思います」

ただ、グドゥコフ氏は「政権に対する世論の影響力は少ない」としたうえで「戦争を終わらせるとしたら『国民の所得減少』『戦争の敗北』『政権内部の分裂』しかない。しかし、戦争の終結はプーチン氏の政治生命の終わりを意味する」と話しました。

(Q.プーチン大統領は戦争を突き進むしかないのでしょうか)

兵頭慎治さん:「引くに引けない状況で、一定の戦果を出さざるを得ないのだと思います。今後、ウクライナ軍に欧米諸国から武器供与が続くなか、ロシア側の戦況はより不利になってきます。この事態を打開するため、生物化学兵器や核兵器の使用に踏み切るのではないかと欧米諸国も懸念しています。こういう事態にならないように、ロシア国内の世論を通じて軍事侵攻を止めてほしいと思います」

(Q.プーチン大統領の判断に世論は反映されるでしょうか)

兵頭慎治さん:「核兵器の使用に踏み切ったとなると、ロシア国内からも否定的な反応が出てくる可能性もあると思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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