「戦況は予測不可能」米情報機関“戦火拡大”を警戒 ロシアでは“軍事作戦”支持低下(2022年5月11日)
ウクライナ軍が反撃をしているとされる、第二の都市ハルキウ周辺では、今月に入って以降、十数カ所の集落が解放されたといいます。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ハルキウ地方から占領軍が追い出されつつあると、我々の軍から良い知らせを受けた」
ハルキウ、テレホフ市長:「まだ完全な復活ではないが、来週から公共交通機関を再開します」
とはいえ、安心材料にはなりません。アメリカ国防総省の高官によりますと、ロシア軍のドンバス地方と南部での作戦は、計画より2週間の遅れが出ています。プーチン大統領の変わらぬ強気の姿勢を考えると、このまま終わるとは思えません。
アメリカ、ヘインズ国家情報長官:「ロシア軍が攻勢の立て直しを図る今後の2カ月が重要だ。ただ、ロシア軍が戦果を挙げても、ドンバスだけでは終わらないだろう。戦闘の先行きは不透明だ。プーチン大統領の野望にロシア軍の戦力が“不釣り合い”なため、今後数カ月の戦況は予測できず、戦火が拡大しかねない」
そんな声は、侵略を始めた国の中でも広がりつつあります。ロシアの独立系世論調査機関『レバダセンター』は、政府からの財政援助を受けず、独自の調査や分析を行っています。その最新の調査で、特別軍事作戦への支持率は、先月と比べて7ポイント低下しました。
『レバダセンター』特別顧問、レフ・グドゥコフ氏:「(Q.特別軍事作戦への支持低下は、長期化の懸念からか)戦争は不確定要素が多くあります。市民の大半は、戦争がどのくらい続くのか理解していません。(Q.年代で違いはあるか)若い世代はプロパガンダを流す国営放送をあまり見ません。それにインターネットという“迂回路”があります。大本営発表とは異なる情報を得ることができます。若者は軍事行動に批判的です。なぜなら、これが“大戦争”につながる脅威であり、動員される可能性もあるからです」
ただ、厭戦気分が国民全体に広がるのには、時間がかかるとも指摘します。
『レバダセンター』特別顧問、レフ・グドゥコフ氏:「地方に影響が出るのは夏の終わり、下手したら年末だと思います。情報から隔離された環境では、世論はゆっくり変化するからです」
ウクライナ侵攻後、プーチン大統領の支持率は80%台を維持していますが・・・。
『レバダセンター』特別顧問、レフ・グドゥコフ氏:「(Q.プーチン氏の支持率が下がり、戦争終結を決断する可能性は)戦争を止めることは、プーチン氏の政治生命の終わりを意味します。ロシア軍の力が尽きるまで軍事作戦を長引かせるでしょう」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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