「丸い玉ねぎがせんべいのように」家庭も店も農家も泣く『玉ねぎ高騰』北海道の猛暑で(2022年5月10日)

「丸い玉ねぎがせんべいのように」家庭も店も農家も泣く『玉ねぎ高騰』北海道の猛暑で(2022年5月10日)

「丸い玉ねぎがせんべいのように」家庭も店も農家も泣く『玉ねぎ高騰』北海道の猛暑で(2022年5月10日)

毎日の食卓に欠かせない「玉ねぎ」の価格が今、高騰しています。

 大阪市北区にある洋食店「ロイスの店」。この店では、オムライスやハヤシライスなど店で出しているすべての料理に玉ねぎを使っています。最近、玉ねぎの価格の高騰に困惑しているといいます。

 (ロイスの店 須川清廣店主)
 「高くなっています。去年の2倍くらいの感じですね。以前は玉ねぎは安かったので業者からパッケージで仕入れていたんですけど、最近の値上がりで、各店を回って安い玉ねぎを仕入れてくる。玉ねぎがなかったら料理ができないです。香りも食感も違いますし、コクやうまみ、すべてが違いますね」

 しかし、メニューの値上げは簡単にはできないといいます。

 (ロイスの店 須川清廣店主)
 「値上がり分を抑えて、私たちの利潤は少なくなるんですけど、お客様には従来通りの値段で提供して食べていただく。値上がりは去年に比べてかなりきついので、これがいつまで続くかというのは少し心配なところはあります」

 いったいなぜ、玉ねぎはこんなに高くなっているのでしょうか。生産量日本一を誇る北海道の生産農家にリモートで聞きました。

 (北海道の玉ねぎ生産者 川合裕二さん)
 「雨がほとんどなくて、土が乾ききってしまって、玉ねぎが太る時期に太れなかった。小さいので収量が減ってしまったのが原因じゃないかなと」

 北海道は去年7月に記録的な猛暑に見舞われ、雨不足による干ばつで玉ねぎが十分に育たなかったといいます。川合さんの畑でも去年の収穫量は例年より3割も少なかったといいます。

 (北海道の玉ねぎ生産者 川合裕二さん)
 「本来丸い玉ねぎがせんべいのように平べったいのがでてきたし、1級品にならないものもけっこう出ました」

 収穫量が減った影響はスーパーにも出ています。普段は128円で売られている「玉ねぎ3玉のパック」が今は2倍以上の298円に。元々今の時期は九州の佐賀県産などへ産地が移るタイミングですが、北海道産が不作だった分をほかの生産地が補えず、当面高値は続くとみられています。

 (フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長)
 「玉ねぎに関しては、私この業界で30年勤めていますけれども、これくらい高くなったのは初めてかもしれません。経験がありません。本来ならば佐賀の新たまねぎが出回る予定ですが、そちらも天候不順で生育が遅れていて出荷量が非常に少ないということで、非常に高値になっています」

 高騰に買い物客も困惑しています。

 「必需品やからすごく困っています。(玉ねぎは)使います料理には欠かせないので。お肉とかの料理をするときに一緒に炒めると味も深くなるので」
 「前はすごくふんだんに使っていたのを、1個のところを半分にしたりとか。しょっちゅう玉ねぎのお味噌汁を作っていた」

 玉ねぎにも押し寄せる値上げの波。価格の高騰はいったいいつまで続くのでしょうか。

 (フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長)
 「非常に心苦しいなとは思うんですが、自然には逆らえませんので、どうしても値段を高くせざるを得ないという状況になっています。だんだん落ち着いてくるのではと思っていますので、それまではしばらくお待ちいただければと思います」

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