捜索続く海底の観光船 “開いたドア”に沈没時のカギ(2022年5月9日)

捜索続く海底の観光船 “開いたドア”に沈没時のカギ(2022年5月9日)

捜索続く海底の観光船 “開いたドア”に沈没時のカギ(2022年5月9日)

 知床半島沖で観光船が沈没した事故について、9日も高性能の無人潜水機を使って引き揚げに向けた作業が行われました。

 青空と白い波が打ち寄せる北海道斜里町の知床半島沖。9日も海上保安庁らが行方不明者12人の捜索にあたっています。

 8日から投入されている無人潜水機「はくよう」。

 その「はくよう」が捉えた写真が公開されました。1枚は船首側です。船体は傾いていますが、大きな損傷は見あたりません。

 もう1枚は船尾側で、客室の出入り口も鮮明に映し出されています。ドアは開かれた状態で、こちらも大きな損傷は見当たりません。

 海上保安庁・奥康彦参事官:「もう少し中まで明かりが届けば見える可能性があると思っていたが、思ったよりも明かりが中に入らなかったので、カメラはあくまで今の状況を調査する形。今後、潜水士を入れていく予定なので中の確認はそちらが主体になる」

 新たに公開された2枚の写真。専門家も損傷の少なさを指摘しています。

 水難学会・斎藤秀俊会長:「手すりがあまり曲がっていない、変形が見られない。こういうところもポイントになってくる。船体がかなり、ゆがむような大きな衝撃はなかったのかな。本当に航行中の船がそのまま沈んだイメージ」

 ドアが開かれていることも沈没した際の様子をうかがい知るヒントになると話します。

 水難学会・斎藤秀俊会長:「例えば船長の指示で2階の屋上デッキに上がることは想定できる。10分、20分、30分という時間軸でいい。それくらいの時間で沈没までゆっくりゆっくり浸水したのでは。もしかしたら全員が客室の上に逃げられた可能性はあるのでは」

 9日も無人潜水機による捜索は行われ、今月中旬には120メートルほどの深さにまで潜れる潜水士が到着する予定です。

 政府は今回の事故を受け、有識者から構成される事故対策検討委員会を今週中に行う予定だと明らかにしました。

 松野官房長官:「委員には北海道の地域事情に詳しい関係者も含まれる見込みで、その点も含め、あす発表される。二度と今回のような悲惨な事故を起こさないよう、政府として精力的に取り組みを進めたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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