【独自】「攻撃は毎日ある」“非人道的”クラスター爆弾で市民が犠牲に ウクライナ南部ミコライウを緊急取材｜TBS NEWS DIG
ロシアが攻略を目指す南部ミコライウには、非人道的兵器として国際社会で使用が禁じられているはずのクラスター爆弾が連日、降り注いでいます。轟音が鳴り響く緊迫の現場にJNNが入りました。
ウクライナ南部の都市ミコライウ。
要衝、オデーサに隣接するこの重要都市は「東部のドンバス地方と南部の完全制圧」を目標とするロシア軍の脅威にさらされ続けています。
記者
「小さなクレーターができていますね。放射線状に飛び散っているのが分かるかな、上から見ると」
JNNが取材に入った4日朝、住宅地の側に残されていたのはクラスター爆弾の爪痕。大量の小さな爆弾を広範囲にばらまく殺傷能力の高い兵器です。深刻な被害をもたらすため、使用を禁止する国際条約が締結されています。
現場で回収された金属はこの爆弾の部品でした。
ミコライウ治安部隊広報官プリティーンチュクさん
「（小さい爆弾は）こんな感じに見える。羽で姿勢を制御し落下してくる」
さらに、別の場所には巨大な部品も残されていました。
記者
「何キロくらいかな、10キロ以上あるか」
南部の都市ミコライウに撃ち込まれた殺傷能力の高いクラスター爆弾。
この大きなロケット弾から36個の小さな爆弾がばらまかれ、周辺に広がっていったといいます。
記者
「多分ここにカートリッジ子爆弾がこう」
ロケット弾が落下した家の中を見せてもらうと…
記者
「うわぁ、ここに突っ込んできたんだ」
ミコライウに住むヴォロディアさん
「攻撃は毎日あるよ、毎日聞こえる。爆発、爆発、爆発の連続だ」
今、ミコライウには毎日のようにクラスター爆弾が撃ち込まれ、死者の数は増え続けているのです。
ミコライウ治安部隊広報官プリティーンチュクさん
「ここではこの兵器で90人近くがもう死亡している」
先月4日、中心部ではクラスター爆弾による攻撃で9人が死亡したといいます。
現場で取材していると…。
取材チームが避難したこの薬局では、先月の攻撃で当時働いていた27歳のタチアナさんが犠牲となりました。
タチアナさんの同僚
「いつも仕事熱心な子でした。彼女は砲弾が落ちようと必ず仕事に出てきていた」
JNNのチームが取材に入った4日と5日の2日間でミコライウには、少なくとも4発のクラスター弾が撃ち込まれました。多くの民間人を巻き込むロシア軍の無差別な攻撃は激しさを増しています。
一方、南東部のマリウポリではロシア軍の包囲が続いています。
国連などが支援し、これまで500人近い市民が街から逃れているということですが、ウクライナの勢力が拠点とする製鉄所の内部には依然、200人を超える市民が残っているとされます。
ロシア側は市民の避難のための「人道回廊」を開くとして5日から3日間の停戦を発表していましたが、ウクライナのゼレンスキ―大統領は。
ウクライナ ゼレンスキ―大統領
「製鉄所へのロシア軍の砲撃や攻撃は止まっていない。女性や子ども、民間人を脱出させる必要があるにも関わらずです」
ロシア軍が5日も攻撃を続けたと非難しました。またアレストビッチ大統領府長官顧問はロシア側が来週9日の「対ドイツ戦勝記念日」までに、製鉄所を制圧しようとしていると指摘。市民の退避は日本時間の6日午後6時に始まるとウクライナの政府は発表していますが無事、市民が現地を逃れられるのか、予断を許さない状況です。
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