「製鉄所脱出はプーチン氏のおかげ」ロシア報道 外相発言も批難の的(2022年5月3日)

「製鉄所脱出はプーチン氏のおかげ」ロシア報道 外相発言も批難の的(2022年5月3日)

「製鉄所脱出はプーチン氏のおかげ」ロシア報道 外相発言も批難の的(2022年5月3日)

 ヒトラーについて「ユダヤ人の血が流れていた」としたラブロフ外相の発言に猛批判が上がるなか、アゾフスタリ製鉄所で激しい黒煙が確認されました。製鉄所には、いまだ子ども20人を含む民間人が取り残されているとする情報もあります。

 黒い煙が上がっているのは、マリウポリのアゾフスタリ製鉄所です。

 市民:「逃げ場がないんです。すべて破壊されて、どこに行けばいいの?小さい子どもがいるのに」

 民間人の避難が始まったはずの場所で何が起きているのでしょうか。

 アゾフ大隊・パラマル副司令官:「きょうは一日中爆弾が投下されている。私たちの計算では子どもが20人ぐらい。女性や高齢者など何百人もの大人がいます」

 この製鉄所では1日、第1陣となる100人が脱出しています。その後も避難が続くはずでしたが、ロシア軍がすぐに攻撃を再開。2日に予定されていた第2陣の避難は中止されたとCNNは伝えています。

 マリウポリ市議会によりますと、3日に再び民間人の避難が行われるといいます。

 国連などの支援を受け、始まったばかりの民間人の避難。一方、この脱出について、ロシア側ではこう伝えられていました。

 ロシア24(国営放送):「プーチン大統領のおかげでウクライナの民族主義者が製鉄所に閉じ込めていたマリウポリの市民を開放する作戦を行うことができました」

 ロシアの国営放送は市民が脱出できたのは「プーチン大統領のおかげ」と強調。さらに「避難した男性は全員、ネオナチの団体に入っていないかチェックされている」と報じています。

 常にウクライナ政府を「ネオナチ」と非難しているロシア。ラブロフ外相の発言が物議をかもしています。

 ロシア、ラブロフ外相:「私の記憶が正しければ、ヒトラーにもユダヤ人の血が流れていた」

 ユダヤ人を大量虐殺した側にユダヤの「血が流れている」とする謎の理論。

 これにユダヤ系のウクライナ人のゼレンスキー大統領は猛反論しています。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ロシアの外相がナチスの犯罪をユダヤ人のせいにしている。言葉が出ない」

 さらに、これまでロシアへの制裁を行っていないイスラエルからも批判が・・・。

 イスラエル、ラピド外相:「我々はロシアと良好な関係を保つためにあらゆる努力をしているが、限界があり、今回その限界を超えてしまった」

 イスラエル側は謝罪を要求しています。

 チャンス記者:「問題は今回のことがイスラエルの立場にどう変化を与えるかです」

 そう伝えるのは戦場となったウクライナで取材を続け、ロシア軍とも遭遇したCNNのチャンス記者です。海外メディアが政権を批判することが難しくなったモスクワにあえて戻り・・・。

 チャンス記者:「ウクライナにおけるロシアの行動。私たちは『特別軍事作戦』と呼ばないといけません」

 この「特別軍事作戦」という言葉も来週には変わる可能性が出ています。

 CNNによりますと、ロシアが「戦勝記念日」を迎える5月9日に「特別軍事作戦」を「戦争」と表現を変え、正式にウクライナに戦線布告する可能性があるということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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