「安全管理規程に数字を書いていない」観光船会社社長の発言に波紋 知床半島では国交省による緊急点検も|TBS NEWS DIG
北海道・知床沖で遭難した観光船の会社の社長が、27日の会見で船を出す判断の基準を盛り込む「安全管理規程に数字を書いていない」と発言したことで関係者の間に波紋が広がっています。
土下座で始まった27日の会見。運航会社の桂田精一社長は「安全管理規程」について問われると・・・。
運航会社「知床遊覧船」 桂田精一社長
「波が1メートル以上で欠航。風速8メートル以上で欠航。視界が300メートル以上ないと出航できない」
観光船の運航業者は出航の判断基準を定めた「安全管理規程」を国土交通省に届け出ることになっています。書類には風速・波の高さ・視界など具体的な数字を記入する欄があります。
欠航の基準を決めているのになぜ出航したのか。追及された桂田社長が明かしました。
運航会社「知床遊覧船」 桂田精一社長
「さっき話した(波)1メートル、(風速)8メートル、(視界)300メートルというのは安全管理規程には書いていない。各社小型船舶の中で暗黙の了解みたいなものがあって」
業界の慣習で具体的な数字を記入していなかったというのです。この発言を受けて28日、国交大臣は。
斉藤鉄夫国交大臣
「社長は数字についてあるのかないのか、あやふやな受け答えをしている場面も見たが、数字を明記した安全管理規程がある。その徹底について国土交通省としても常に指導をしているところ」
事故を受けて知床半島では28日、国交省による観光船の緊急点検が行われました。そこで。
羅臼町の観光船船長
「きちんとな、何回も言ってる。書面ばかり(の検査)ばかりやるから事故が起きる。衛星電話が通じるとか1回ずつやらないからこうなるんだ」
激しい言葉で実効性のある検査を訴えたこの業者。「安全管理規程」に具体的な数字を記入していると言います。
羅臼町の観光船船長
「(安全管理規程)超えたら戻って来なさいよって。これだったら出港を控えなさいとか。(事故が起きた)ウトロもこれは当然あったし全国の旅客船と名の付く者はみんな」
型どおりの点検に憤る船長。今回の事故は「観光船」の安全管理に問題を投げかけています。
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