北欧フィンランド・スウェーデンがNATO加盟へ?ロシアのウクライナ侵攻が“裏目”に|TBS NEWS
NATOの拡大を止めるため、ウクライナに侵攻したロシア。しかし、その思惑とは裏腹に、北欧のフィンランドとスウェーデンでは、NATO加盟の機運が高まっています。プーチン氏の誤算、そして新たな緊張とは。
■NATO加盟に意欲を示す北欧フィンランド
ロシアや北欧ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどを示した地図。この中のフィランドが4月13日、NATO(北大西洋条約機構)に加盟する意欲を示しました。こうした動きをけん制するためか、ロシアはフィンランド国境近くにミサイルシステム2基を移動するなど、緊張が高まっています。
では、北欧の国がNATOに加盟することは、どのような意味を持つのでしょうか。そもそもNATOとは、1949年、旧ソ連に対抗するため、アメリカやカナダ、西欧諸国が結成した軍事同盟。最大の務めは「集団的自衛権の行使」です。もし、ある加盟国に対する攻撃があった場合、その攻撃をすべての加盟国への攻撃とみなし、攻撃された国を援助する体制を敷いています。
これに対抗するため、1955年、旧ソ連が主導し、東側の軍事同盟「ワルシャワ条約機構」を結成。その勢力は東ドイツにまで及び、両陣営の間で“にらみ合い”が続いたのです。
1991年、ワルシャワ条約機構は解体されると、旧ソ連と同盟を結んでいたポーランドや、統治下にあったバルト三国などが次々とNATOに加盟。その数は現在30か国にのぼり、NATOの「東方拡大」が進んだのです。
■中立の背景にある“苦難の歴史”
フィンランドはこれまで、なぜ中立的な立場を貫いてきたのでしょうか。
さかのぼること約100年前まで、フィンランドは旧ロシア帝国に統治されていました。のちにフィンランドは、ロシア革命を機に1917年、独立を勝ち取りましたが、第2次世界大戦中、旧ソ連から侵攻を受けました。
約10万人が命を落としたほか、国土の1割を奪われたのです。こうした“苦難の歴史”から、ロシアとの衝突を避けるため、NATOの設立以降も中立を守ってきたのです。
そのフィンランドですが、今大きな転換点を迎えています。メディアの世論調査では、ウクライナ侵攻前、「NATO加盟を支持する」と回答したのは3割未満でした。しかし侵攻後、加盟を支持する人が倍増したのです。
マリン首相は「ウクライナ侵攻で全てが変わった。NATOに加盟しなければ安全の保証が得られない」と危機感を強めています。
■NATO加盟への動きに核兵器をちらつかせるロシア
NATO加盟への動きは広がっていて、北欧スウェーデンも「6月のNATO加盟への申請を目指している」と報じられています。
軍事的中立を保ってきたスウェーデン、そしてロシアと約1300キロの国境を接するフィンランドの加盟によって、ロシアは、武力衝突を回避する“緩衝地帯”が、ますます無くなることとなります。
こうした動きに対し、核を搭載したロシア軍の戦闘機が、スウェーデンの領空を侵犯したほか、プーチン氏の最側近メドベージェフ前大統領は14日、核兵器の配備も含めて軍備を強化すると警告したのです。
ウクライナへの侵攻が、逆にNATO拡大の動きを招き、地域の軍事的緊張を高める結果となっています。
(サンデーモーニング2022年4月17日放送)
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