ウクライナ東部2州以外へ攻勢・・・ロシアの狙いは?化学兵器使用の可能性は・・・専門家解説(2022年4月12日)

ウクライナ東部2州以外へ攻勢・・・ロシアの狙いは?化学兵器使用の可能性は・・・専門家解説(2022年4月12日)

ウクライナ東部2州以外へ攻勢・・・ロシアの狙いは?化学兵器使用の可能性は・・・専門家解説(2022年4月12日)

ロシア軍が包囲するウクライナ・マリウポリの市長によりますと、マリウポリでは死者が2万人を超える恐れがあり、約12万人の市民が取り残されているということです。

そのマリウポリでは、化学兵器が使用された可能性も指摘されています。ウクライナ軍アゾフ大隊の隊長によりますと、ドローンから製鉄所に有毒物質が投下され、3人に呼吸不全など中毒症状が出たということです。これが事実かどうかは、アメリカ国防総省などが確認中で、はっきりとは分かっていません。

化学兵器について、ロシア側からも言及がありました。ドネツク州の一部を実効支配する親ロシア派の報道官は「製鉄所には最大で4000人のウクライナ兵がいる。モグラを穴からいぶり出す化学部隊の協力を求めるべき」と化学兵器使用の示唆とも取れる発言をしています。ただ、アゾフ大隊隊長の主張については「我々はマリウポリでいかなる化学兵器も使用していない」と否定しています。

◆防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きます。

(Q.今の段階で化学兵器が使われた可能性はありますか)

兵頭慎治さん:「今の状況証拠だけでは使用したと断定はできません。欧米諸国は、化学兵器が東部2州で使われる可能性を危ぐしてきましたが、使われるとすれば大きく戦況を変える形で使われることが想定されていました。今回、目的が限定的な気がします。次の情報を待ちたいと思います」

(Q.どんな局面に、どのような地域で使われると考えていますか)

兵頭慎治さん:「ロシアは5月9日までに東部2州の完全制圧を目指しているということですが、ドネツク州はまだ半分ちょっとしか制圧できていません。欧米諸国は、ドネツク州で戦闘が激化するなかで、ロシア側が大きく戦況を変化させるために扱う可能性があるとみていると思います」

東部2州から200キロほど離れたドニプロ市では10日、空港が砲撃を受けました。市長によりますと、こうした攻撃が毎日、色んな所から受けているといいます。

(Q.ロシアは東部2州以外の地域にも攻撃をしています。狙いをどう分析しますか)

兵頭慎治さん:「東部2州の完全制圧以外にも、南東部を含めて支配地域を拡大する動きを引き続き見せています。先日、爆撃を受けたクラマトルシク駅も、今回のドニプロ市への攻撃も、軍事物資をウクライナ側に運ぶための拠点になっています。ロシア軍は欧米諸国からの軍事物資の補給を阻止する狙いがあると思います。駅や空港を使う可能性がある避難民も攻撃の対象になっています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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