電動キックボード“規制緩和”に不安の声・・・免許不要で歩道走行OK “速さ”を独自検証(2021年12月24日)
今、利用者が急増している電動キックボード。これまでは、原付きバイクと同じように免許が必要で、車道しか走れませんでしたが、警察庁が規制を緩和する方針を固めました。新たな改正案では、一部の電動キックボードでは免許がいらず、歩道も走れるようになります。
■ルール違反続出も・・・免許不要に
手軽な移動手段として、若者の間で利用が広がっている電動キックボード。電動キックボードは、道路交通法上、多くが原付バイクと同じ扱いです。
公道を走るには免許が必要で、通行できるのは車道のみ。ヘルメットの着用やナンバープレートなどを付けることが義務付けられています。
しかし、公道を走っている電動キックボードの中には、ナンバープレートなどが付いていない違法状態のものもあります。
さらに、歩行者がいる歩道を走る電動キックボードもありました。
■危ない運転続出・・・信号無視も
歩道を電動キックボードで走る人の中には、赤ちゃんを抱っこしながらの人もいました。よく見ると、カーブを曲がる時に、転びそうになっています。
さらに、信号を無視するという危険行為もありました。
交通ルールを守らないケースが相次いでいる電動キックボード。
街の人:「人混みを縫うように走っていて、危ない。車道じゃなく、歩道を走っているでしょ、ほとんどが。だから、ちょっとびっくりしますよね」「曲がり角すごい勢いで、曲がってこられた時があって、その時はちょっとぶつかりそうになったので、怖かったですね」
警視庁は、今月から取り締まりを強化しています。
15日、東京・港区で行われた取り締まりでは、警察官が電動キックボードの利用者を呼び止め、運転免許証や車検証を持っているか確認しました。
警視庁では、これまで違反行為を確認しても、利用者に警告するだけでしたが、今月からは、その場で反則切符を切るということです。
■“免許不要”で心配の声も・・・
取り締まりが強化される一方で、警察庁の検討会は23日、電動キックボードの規制を緩和する最終報告をまとめました。
最終報告では、最高速度が時速20キロ以下の車体については、免許を不要としたうえで、16歳未満の利用を禁止としています。
また、走ることができる場所は原則、車道ですが、最高速度を時速6キロに制御できる場合は、歩道や路側帯も走行可能としています。
ヘルメットの着用は義務ではなく任意とし、販売会社などに交通安全教育を行うよう求めています。
ただし、時速20キロを超えるスピードのものは、これまでと同様に、原付バイクと同じ扱いとなります。
二之湯智国家公安委員長:「交通事故も心配されますので。規制緩和によって、交通事故が増えて、警察の信頼がなくなるようなことではいけない」
新しい交通手段の一つとして、さらなる利用拡大に向けた今回の緩和方針。街の人は・・・。
電動キックボード利用経験なし:「電動キックボード寄りの法案じゃなくて、歩行者寄りの法案を作ってくれたらいいのかなとは思います。人数が多いほうを優先したほうがいいのかなとは思いますね」
国が進める実証実験で、ヘルメットなしで電動キックボードを利用している人は・・・。
実証実験中の電動キックボード利用者:「もっと、より気軽に乗れるようになるのは、すごくうれしいなと思うが。交通ルールをしっかり把握していない人まで、簡単に気軽にってなっちゃうと、交通ルールとか守られなくて。そういう部分は、ちょっと不安かなって思います」
■時速20キロ以下 免許不要に
不安や戸惑いの声が多かった電動キックボードの規制緩和。時速20キロは、どれくらいの速さなのでしょうか?
検証に使ったのは、道路交通法適用外の私有地。使用する電動キックボードは、速度の上限が時速15キロに制限されているものですが、検証のため、特別に時速20キロが出せるようにしています。
時速20キロで電動キックボードが走っていると、どれくらいのスピードに感じるのでしょうか?
自転車の速度ぐらいに感じる時速20キロ。実際に、自転車と並走してみました。検証の結果、時速20キロは、自転車を一生懸命こいだぐらいのスピードと分かりました。
■時速6キロなら歩道OKに
規制が緩和されると、時速6キロまでなら歩道を走ることもできる電動キックボード。スピードの上限設定を6キロに変えて、どれくらいの速さなのか検証すると・・・。
だいぶ、ゆっくりに感じます。これだと、歩道を走っていても、そんなに恐怖は感じないかもしれないです。とっさに来たとしても、対応ができそうです。
電動キックボードのシェアリングサービスを展開する「Luup(ループ)」の岡井大輝社長兼CEOは、電動キックボードの規制緩和に対し、こうコメントしています。
Luup・岡井大輝社長兼CEO:「安全かつ分かりやすいルールの整備が、必要不可欠。今回、警察庁によって示されたルール作りの方向性は、その第一歩になるものと受け止めている」
警察庁は、年明けの通常国会に、電動キックボードの規制緩和などを盛り込んだ、道路交通法の改正案を提出する方針です。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2021年12月24日放送分より)
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