ウクライナ国連大使JNNインタビュー ブチャでの惨劇「ロシアに責任負わせる」 日本に対して「国連安保理改革に向けた努力を協力して強化していくべきとき」
ウクライナの国連大使がロシアの侵攻後、日本メディアとして初めてJNNの単独インタビューに応じました。首都近郊で市民の遺体が多く見つかったことについて「ロシアに責任を取らせる」と強調しています。
4日、JNNの単独インタビューに応じたウクライナのキスリツァ国連大使。
ウクライナ キスリツァ国連大使
「ロシアに責任を取らせる」
首都近郊ブチャで多くの市民が殺害されているのが見つかったことを受け、「ロシアに責任を取らせる」と強調。ロシアについて、「国連の人権理事会の理事国としての立場に相いれない」として、資格を停止させるため国連加盟国に働きかけていくことを明らかにしました。
国連総会で投票国の3分の2の合意があれば、ロシアの資格停止は可能です。
また、キスリツァ大使はブチャの惨状について「将来の法的手続きの際に受け入れられるような方法で証拠を収集する必要がある」として、独立した専門家と協力して調査し、「戦争犯罪人の責任を問うべきだ」と強調しました。一方で。
記者
「国連は今回、役割を果たせたと思いますか?」
ウクライナ キスリツァ国連大使
「いや、果たせなかった。それは明らかだ。私たち皆が安保理の、そして、国連そのものの改革を訴えていかなければいけない」
ロシアの軍事侵攻をめぐる国連安保理について「機能しなかった」と批判。今年、非常任理事国を選ぶ選挙に臨む日本に対しては「機能不全の組織に入りたいのだろうか」と疑問を呈したうえで、「安保理改革に向けた努力を、協力して強化していくべきときにある」と呼びかけました。
また、ロシアとの停戦交渉については。
ウクライナ キスリツァ国連大使
「ウクライナ政府はクリミアを含め、いかなるウクライナの領土についても、新しい地位を認める合意には署名することはありません」
8年前、ロシアにより一方的に併合された南部クリミアと親ロシア派武装勢力が支配する東部地域の主権について、「一切妥協をしない」と強調。
要求している新しい安全保障の枠組みについては、アメリカやロシアなど安保理常任理事国5か国のほかに、交渉の橋渡し役を務めるトルコも参加すべきだと主張しました。
理由については強力な軍隊と強固な経済基盤を持っている国の関与が必要だと説明していて、ロシアとの関係を維持するトルコの存在を重視しているものとみられます。
(05日18:45)
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