ウクライナ侵攻でも情報戦 勝敗の鍵握る「制脳権」とは
ウクライナ侵攻など、いま、情報を操作し人の脳を制する「制脳権」の争いが激しさを増しています。こうした中防衛省はきょう、新たなポストを創設しました。
岸 信夫防衛相
「グローバル戦略情報官には、今後、諸外国による対外発信の戦略的な意図や、フェイクニュース等の影響をふまえつつ、情報分析を行い、政府全体の情報業務に貢献することを期待しています」
防衛省にきょう、新設された「グローバル戦略情報官」。SNSを使った発信の真偽や意図を分析し、フェイクニュースによる世論誘導を防ぐ役割を担う新たなポストです。
ロシアとウクライナの戦闘が激しさを増す中では、ウクライナ側の士気を下げるためか、こんな“ニセ動画”も出回り、波紋を広げました。
ゼレンスキー大統領(偽動画)
「私に明日はないので、皆様とお別れすることにします。ウクライナ兵の皆さんは武器を置いて、家族のもとに帰ることをすすめます」
これはAIを使って作られた「ディープフェイク動画」と見られていますが、こうした情報などの「認知空間」は、陸海空・宇宙・サイバーに次ぐ「6番目の戦場」として注目され、各国が人の脳を制する「制脳権」をめぐり争いを激化させています。
防衛省防衛研究所 飯田将史室長
「制脳権というのは脳をコントロールする、つまり人間の認識・認知、これをコントロールするということが制脳権という事になります」
ウクライナ侵攻ではアメリカも加わりロシアに「制脳権」を奪われないよう情報発信を強めています。
バイデン大統領
「プーチン大統領がキーウから全軍を撤退させている明確な証拠はない。私は懐疑的だ」
防衛研究所の飯田氏は、ロシア側から発信されたと見られるフェイク動画などを例に、“SNSで拡散される情報にも注意を払う必要がある”と話します。
防衛省防衛研究所 飯田将史室長
「常にですね、我々が接する情報の中には意図を持った情報があるんだということを認識しておくということが、まず第一歩だと思います」
「低コストで効果が高い」とされる情報戦を各国が重視するようになる中、「制脳権」にいち早く注目したのが中国です。軍備の拡大と共に「世論誘導」や「心理戦」を重要な戦略と位置づける中国。
日本の防衛研究所は去年、次のようなリポートを発表しました。
「敵人の脳を支配する『制脳権』の奪取を目的とした『制脳作戦』が、将来の戦争における新たな姿として想定される」
自衛隊幹部は、”戦いのあり方は明らかに変わってきた”と指摘します。
自衛隊幹部
「サイバーで相手の能力を無力化し、都市を火力で落とす。それと同時に情報戦・メディア戦も展開しないと勝利は導けない」
SNS時代を迎える中、「制脳権」をめぐる争いが、激しさを増しています。
(01日15:41)
#制脳権
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