“オミクロン濃厚接触者”対策 「全員施設へ」政府方針 現実は
２３日に開かれた東京都の感染状況を分析するモニタリング会議では・・・。
国立国際医療研究センター 大曲貴夫 医師
「新規陽性者数が増加傾向にあり、注視する必要があります」
２３日、東京都で発表された新たな感染者は３７人で、６日連続、前の週の同じ曜日を上回りました。入院患者も１週間前の８０人から１５５人と倍近く増えています。そして、それ以上に増え続けているのが、オミクロン株の濃厚接触者。今月２１日の時点で都内だけで９６７人に上っています。オミクロン濃厚接触者について、政府は、指定された施設での１４日間の待機を求めていますが、この要請に強制力はなく、東京都では６割近い人が施設には入っていません。
東京都 小池百合子 知事
「法律の限界だと思います」
こうした事態に、小池知事は２３日、改めて、オミクロン濃厚接触者に対し施設に入るよう呼びかけました。
東京都 小池百合子 知事
「個人の事情もあると思いますが、宿泊療養などでしばらく身を置いていただくことで自らを守り、ご家族を、社会を守ることにつながる。ご理解いただきたいと思う」
こちらの女性は、今月、アメリカから帰国後に自宅で過ごしていたところ、子ども２人とともにオミクロン株の濃厚接触者に指定され、施設に入るように求められましたが・・・
オミクロン株濃厚接触者で子ども２人と自宅待機する女性
「子どもも小さいのと、私に持病がありますので自宅で隔離をしています」
ただ、自宅で過ごすことによって同居する母親に迷惑がかかると悩んでいます。
オミクロン株濃厚接触者で子ども２人と自宅待機する女性
「母が仕事をしてるんですが、自宅での隔離にあたって保健所の方から、お母様も濃厚接触者の濃厚接触者になってしまうので、外にはあまり外出されないようにということで、母も急遽、会社のほうにお願いして休ませていただくという形で」
一方、神奈川県では、オミクロン株の濃厚接触者が急増して１０００人を超えているのに対し、確保できている宿泊施設の部屋は３３９室。これ以上、部屋を増やすのは難しいといいます。
神奈川県医療危機対策本部室 山田佳乃 課長
「ホテルを確保してコロナ対応に使えるようにするには、ホテルのオーナーとの調整ももちろんですが、地元の調整などもいろいろあるので、年末年始の時期やクリスマスシーズンであったり、ホテルを新たにコロナ対応に変えて借り受けるというのは、なかなか難しい状況がある」
オミクロン株の濃厚接触者全員の「施設待機」という政府方針とは、かけ離れた現場の状況。神奈川県では高齢者との同居などリスクに応じて、オミクロン株の濃厚接触者のうち施設待機の対象とする人を調整する方針です。（23日17:27）
