スマホが、お湯が…日本経済をどう守る？経済安全保障が注目 関連法案も審議入り
ウクライナ情勢が緊迫化する中、いまエネルギー価格や原材料費の高騰などいわゆる「経済の安全保障」に注目が集まっています。国会では関連法案が審議入りしましたが、この経済安全保障、我々の暮らしにどのような影響があるのでしょうか。
あなたにとって無くなったら困るモノとは？街で聞いてみました。
若い女性2人
「ケータイ」
「たしかに。スマホとか結構困る」
男性
「パソコンとかケータイ。1つはスマホですかね」
男性
「スマホ。仕事に限って言えばスマホよりパソコン」
今やスマートフォンやパソコンは無くてはならないものですが…
ウクライナ情勢の長期化や長引くコロナの影響で携帯など電子機器の製造に不可欠な「半導体」の争奪戦が起こっています。こうした中、国会では「経済安全保障」に関する法案の審議が始まりました。
岸田首相
「国民の命と暮らしを守るための待ったなしの課題です」
国が民間企業を援助し半導体など重要物資の供給網を強靭化するのが狙いです。
記者
「今、世界で深刻化している半導体不足。一般家庭では、意外なところで影響が出ています。こちらの給湯器です」
小さい子供を持つこちらの家庭。取材の5日前に給湯器が故障し、お湯が使えなくなりました。
実際にお湯を出そうとしますが…
記者
「水温はどんどん下がり15℃を下回りました」
半導体が不足しているため、新しい給湯器の納期はなんと3ヶ月先。お風呂はヤカンでお湯を沸かし何とか凌いでいます。
父親
「はーい。じゃあ行くよ。はーい」
まだ1歳の子供が温かいお風呂に入れない日々が続いています。
父親
「このやり方にするようになってから、何かこう、泣くようになってですね…」
記者
「お風呂嫌いにならないと良いですね…」
父親
「そうですね…」
一方こちらの家では、給湯器の故障から1週間ほどで新品が届きました。
女性
「わー！お湯が。お湯がたまってますね。良かったです」
工事を担当した工務店によりますと、「1週間で交換できたのは運が良かった。」と言います。以前は発注した翌日に納品されていた給湯器ですが、今は8か月待ちの製品も。倉庫は空の状態です。
工務店の男性
「半導体不足の前っていうのは月に50台ぐらいは（工事を）やってたんですけど、正直今もう給湯器来ないんで、5台あれば、ある方だなみたいな感じになってまね」
半導体のみならず、コロナ禍ではマスクが不足し、ワクチンも欧米からの輸入に依存。
そして今回のウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰と、経済安全保障の問題は私たちの暮らしに大きな影響を与えています。
自民党 石原宏高衆院議員
「現在の日本には、残念ながら確固たるですね、将来のビジョンに基づく経済安保政策が欠けているというふうに思います」
小林鷹之 経済安保相
「何が起こったとしても、いかなる状況においても、そのダメージを極限化する。そういう脆弱性を克服していく取り組みというのが必要だと思っています」
政府は関連法案を成立させ、問題解決に向けた基盤整備を進めたい考えですが、国と企業が力を合わせ日本経済を守る、強い体制作りが求められています。
（25日15:44）
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