【日本に伝えたい】いま“母国で起きている現実”…ウクライナ人留学生の思い
■母国の両親らの返事を待つ日々
ウクライナ西部、リビウ近郊で生まれ育ったアナスタシア・コウバさん(23)。
京都大学大学院に留学するため、2019年に来日しました。
連絡は取れるものの、両親は今もリビウ近郊で暮らしているといいます。
アナスタシアさん(23)
「お父さんは神父さんなので自分の住んでいる村の人の心のケアをしないといけないんです。両親には毎日メッセージを送っていますし、夜に返事がなかったらすごく心配になっている」
お父さんは日々“心のサポート”を行っているといいます。
■現地の友人から届いた言葉 “私たちが生きて目覚めるかどうか”定かでなくなる
日本から母国を案じる毎日。
見せてくれたのは、今もリビウに住み日本語が話せる友人、ソロミヤさん(33)から届いたメッセージでした。
リビウ在住の友人
『今、誰もが精神的に非常に疲れ果てており、私たちが生きて目覚めるかどうか目覚めた場所がまだ母国のままかどうか』『空襲警報が鳴るたびに地下シェルターに避難している』と、不安な日々がつづられていました。それでも――
「有志の方々が様々な物資を集め、それを必要とする都市に届けるなり、避難してきた者たちを助けるなり、戦いに必要なものを買い揃え調達するなり、暇を知りません。今後も戦いに必要な致死力のないものでも身を護るためのものの支援をお願いします」
メッセージを受け取ったアナスタシアさんは――
「ウクライナの今の状況を忘れないでほしい。よくあるじゃないですか、1か月後に別のニュースになって、みんな忘れたっていう感じになってしまう。だから私の今できることは(みんなが)忘れないように頑張ること。日本人に忘れないでほしいから」
日本にいる自分にできることは、今、ウクライナで起きていることを伝え続けることだと語ってくれました。
■友人からのメッセージ全文
アナスタシアさんの強い思いを受け、ご友人からのメッセージを全文公開させていただきます。(※原文ママ)
リビウ在住ソロミヤさん(33)
『今、誰もが精神的に非常に疲れ果てており、私たちが生きて目覚めるかどうか、目覚めた場所がまだ母国のままかどうか、それらは毎日、やっと寝付けられたときに定かではなくなります。
避難警報は、空中攻撃の可能性を警告する音がよく聞こえます。避難警報が鳴るたびに、私たちは爆弾シェルターに隠れることを余儀なくされ、危険が終わる瞬間までそこにとどまります。路上で、警察はすべての不審者の身分証明書をチェックします。
多くの人が仕事を失いました。毎日、敵対行為が行われている地域からの膨大な数の難民が私たちのところにやって来ます。
人道を外れたやりかたが目立ちつつある国境での混沌はもはや地獄にと耐える他ありません。人々は国内の戦争による地獄から子供たちを救うために別の地獄をくぐり抜けて逃げようとしています。
有志の方々が様々な物資を集め、それを必要とする都市に届けるなり避難してきた者たちを助けるなり、戦いに必要なものを買い揃え調達するなり、暇を知りません。ヨーロッパからも、よく支援をもらっています。
いくつかの情報リソースは、戦争に関する情報を日本語に翻訳するように私に求めています。
ウクライナは、民主主義の世界に属していることを何度も証明してきました。ウクライナの民主主義の保護は何よりも重要です。今日、ウクライナは、世界への脅威である巨大な国の独裁者に打ち克つために、他の民主主義国の助けを必要としています。
千島列島でのロシアの不穏な動きに、より注意していたほうがいいと思います。今のロシアを正気の保った相手として見ていると、正気を外れた行動しかける恐れだってあります。
また、よければ今後も戦いに必要な、致死力のないものでも、身を護るためのものの支援をお願いします。
ウクライナの人々は、世界の軍事的および財政的支援に非常に感謝しています』
(2022年3月22日放送「news every.」より)
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