【解説】震源から離れた地域で停電が起きたワケは? 福島・宮城で震度6強

【解説】震源から離れた地域で停電が起きたワケは? 福島・宮城で震度6強

【解説】震源から離れた地域で停電が起きたワケは? 福島・宮城で震度6強

16日夜、福島や宮城で最大震度6強を観測した地震では、東北や関東の広い範囲で停電が起きました。なぜ、ここまで広範囲に停電が広がったのか。そして、地震で停電が起きた場合、どのように行動するべきか。詳しくみていきます。
■福島、宮城で震度6強…広範囲で停電
16日夜の東京都内では、停電のため信号が消えて、警察官が交通整理する様子がみられました。コンビニの中も明かりが消え、電車の中も真っ暗になりました。

今回の停電は広範囲に及びました。震源地は福島県沖ですが、停電の範囲は青森から静岡までと広い範囲に及びました。

停電した数は東北電力管内で最大約16万軒、東京電力管内では、最大約210万軒が停電しました。震源地から離れた東京でも最大約70万軒が停電しました。現在は東京電力管内の停電は復旧しましたが、福島や宮城の一部ではまだ停電が続いているということです。
今回の地震に伴う停電によって、様々なところに影響が出ました。

コンビニ各社は、セブンイレブンでは午前6時時点で、宮城、福島などで約80店舗、ファミリーマートでは午前8時時点で、東北、関東の約190店舗、ローソンでは午前9時時点で、宮城、福島の約40店舗が休業しました。

商品が散乱したことや従業員が出勤できなくなったこともありますが、停電の影響が大きいということです。これらの店舗は順次、営業再開していて、現在の休業店舗数はもっと少なくなっているとみられます。
■広範囲で停電が起きたワケは?
今回、震源からかなり離れた地域でも停電が広がったのは、なぜなのか。東京電力によりますと、今回の地震によって「電力システムを保護する装置」が作動したためだということです。

そもそも電気というのは、つくる量(供給)と消費する量(需要)が常に一致している必要がありますが、地震や事故などで発電が止まり、需要と供給のバランスが崩れると、電気が正常に送れず、深刻な大停電になる恐れがあります。
実際に、こうした大規模な停電が起きたケースがあります。2018年に起きた最大震度7の北海道胆振東部地震では、北海道全域で295万戸が停電する“ブラックアウト”が発生しました。2、3日で大半が復旧したものの、1週間以上停電が続いた地域もありました。

こうした事態を防ぐためにあるのが、今回作動した保護装置です。

発電所は、一定以上の地震の揺れを感知すると、安全のため自動停止します。それによって、電力の供給量が急激に減った場合は、その供給量とバランスが取れるよう一定のエリアに対する送電が自動的に止まります。つまり、あえて停電させることで需要を減らして、崩れたバランスを元に戻すという仕組みです。そのエリアの人々は一時的に停電するので不便ですが、それによって、深刻な大規模停電を防いで、停電の範囲を最小限に抑えることができます。
一度、大規模停電が起きてしまうと、復旧には長い時間がかかってしまいますが、今回のように保護装置が発動して一部が停電した場合は、安全が確認されれば、すぐに復旧できるというメリットもあります。

今回は地震の規模が大きかったため、多くの発電所が自動停止したので、供給量もその分、大きく減りました。そのため、需要もそれに合わせた分だけ減らさなければならず、結果的に広範囲な停電になったということです。
■停電が起きた時の注意点
地震などで停電が起きた時、注意した方がいいことをおさらいします。停電が解消された時に備え、プラグを抜いておいた方がいいものがあります。それがアイロンやドライヤー、ヒーターなどの電気で加熱する器具です。プラグを差したままだと、電気が復旧した時に火災になるかもしれないためです。
ほかにも停電中に避難する時は、分電盤のブレーカーを切ってから外出するのがいいとのことです。これは電気の消し忘れによる事故を防ぐことができて、より安全です。停電が解消されたらブレーカーを入れて、その後に機器のプラグを差し込んでほしいということです。

今回、揺れが強かった地域では、今後1週間程度は同じような大規模な地震が起きやすいといわれています。再び停電に見舞われても慌てないよう、事前にできる備えはしっかりとしておきましょう。
(2022年3月17日放送「news every.」より)

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