「祖国に戻る」避難所から戦地へ・・・ウクライナ避難者は280万人超(2022年3月15日)

「祖国に戻る」避難所から戦地へ・・・ウクライナ避難者は280万人超(2022年3月15日)

「祖国に戻る」避難所から戦地へ・・・ウクライナ避難者は280万人超(2022年3月15日)

 ウクライナの国外に避難した人は、これまでに280万人に上っています。現地を取材すると、避難所から再び戦地へと戻って行く人もいました。

■各国からボランティア・・・避難者280万人超

 フェリーの上で、互いに身を寄せ合う人々。戦火を逃れてウクライナからやって来た避難者です。

 ウクライナ避難者:「爆撃で、家が吹き飛ばされました。もう、住む場所はありません」「ロシア軍は、住宅を爆撃しています。故郷には、母や父が残っているんです」

 UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によると、ロシアによる軍事侵攻を受けて、国外に避難した人の数は、280万人を超えました。

 そのおよそ6割、170万人が避難しているポーランドでは、氷点下にもなる厳しい寒さで疲れ切った避難者を、各国から来たボランティアが温かい食べ物で出迎えていました。

 ボランティア:「スコットランドから3日間、車を走らせてきました。いつまで続くか分かりませんが、終わるまで続けるつもりです」「シカゴから来ました。若い女性や女の子が、1人で避難していることも多いので。次の場所に移動するまでの間、安全に泊まることができる場所を提供しています」

■医師が奮闘「けが気付いてない人も・・・」

 世界各地から集まった医師たちは、避難者の治療にあたっています。ドイツ人医師のワジャハットさんも、その一人です。

 ワジャハット医師:「こんにちは。私は医師です。痛いところや、体の不調はありませんか?」

 一見して治療が必要なさそう人たちにも、次々と声をかけていくワジャハット医師。その理由は・・・。

 ワジャハット医師:「多くの人たちは、軽いけがとか感染症とかになっていても、戦争の混乱状態のせいで、それに気が付かないのです。だから私たちは、誰彼なしに声を掛けているのです」

 中でも気に掛けるべきなのが、子どもだといいます。

 ワジャハット医師:「子どもは手や足の指が凍傷になりやすいのです。きのうは50人の孤児が来ました。腹痛や嘔吐(おうと)を訴える子もいたので、治療にあたりました」

■治療後「軍隊に」 避難所から戦地へ

 避難する途中で転倒し、頭にけがをした男性が、治療を受けにきました。

 ワジャハット医師:「まずは、消毒をしよう。何かの破片が入っていないか確認して、ばんそうこで応急処置しよう」

 転倒して頭をけがした避難者:「治療してもらえてよかった。これからウクライナに戻る。軍隊に入るつもりだ」

 ポーランドに避難したものの“ウクライナに戻る”という男性。このように祖国へと引き返すことを選ぶ人は、少なくありません。

 実際、鉄道の駅には、多くのウクライナへ向かう人の姿がありました。

 ウクライナへ戻るオクサーナさん:「ウクライナにとどまって、医者として働く息子をサポートするために戻ります」

 ポーランドに避難した娘に、荷物を届けに来たというオクサーナさん。戦地で人々を救い続ける息子のもとに戻るといいます。

 オクサーナさん:「戦争中に、国外にとどまり続けることは想像できない。何かしら、ウクライナの力になることができればと思っています」

 ウクライナ政府によりますと、避難先から国内へと戻った人の数は、およそ1万7000人に上るということです。

(「グッド!モーニング」2022年3月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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