世界的“抹茶ブーム”の余波 宇治市営の茶室利用料が5割程度値上げへ 抹茶原料「てん茶」も価格高騰

世界的“抹茶ブーム”の余波 宇治市営の茶室利用料が5割程度値上げへ 抹茶原料「てん茶」も価格高騰

世界的“抹茶ブーム”の余波 宇治市営の茶室利用料が5割程度値上げへ 抹茶原料「てん茶」も価格高騰

 京都の宇治市にある市営の茶室の利用料が、5割ほど値上げされることに。世界を股にかけた”抹茶バブル”が引き起こす思わぬ影響とは。

 ほろ苦くも、すっきりとした風味が魅力の京都・宇治の抹茶。

 Q)いかがでございますか?
 「オイシイ」

 抹茶の本場、京都府宇治市。世界遺産「平等院」の近くの市営の茶室「対鳳庵(たいほうあん)」では、宇治茶の魅力を楽しめる茶の湯体験が人気です。

 「お点前」
 「オテマエ」

 「頂戴(ちょうだい)」 
 「チョウダイ」

 「いたします」 
 「イタシマス」

 宇治市によると、昨年度の茶室の利用者は2万人以上。約8割が海外からの観光客だといいます。

 「最後だけすすって音を立ててください」

 イギリスからの観光客
 「とてもおいしかったです。特別な体験でした。お茶会に参加するのも2回目なんです」

 今、海外から注目が集まっている抹茶。利用料にも影響が。

 市では、茶室の料金を今年4月から5割程度値上げする予定に。茶席で味わえる「薄茶」は1服1000円が1500円に、茶道を学べる「お点前体験」は2400円が3600円になります。

 宇治市 産業観光部・杉本隆之課長
 「近年、宇治茶が世界的にも取り上げられていて、市場価格も2倍、3倍と高くなっている状況でもあります。我々もサービスの水準を維持しながら、さらにおもてなしも向上しながら、楽しんでいただけるように、価格は上げさせていただきたいと考えているところです」

 値上げの訳は、抹茶の原料となる「てん茶」の価格高騰。JAによりますと、落札価格が5年で約4倍になっているといいます。

 その影響は、街にも。宇治市内に去年6月オープンした宇治茶専門店。店を開いたのは、日本でお茶の修行を積んだスイス人のベーアさんです。

 とび園 ベーア・トビアスさん
 「大勢の方においしいお茶を飲んでほしいので、ちょっとだけ値上がりもするし、ちょっとだけ我慢することになってしまうから大変です」

 抹茶の仕入れ値は上がっているものの、より多くの人に抹茶を飲んで欲しいとの思いで大幅な値上げをすることはできないでいます。

 取材中、飛び込みで店を訪れたのは、カリブ地域でコーヒーショップを営む外国人。抹茶を新たな商品に取り入れたいと、急きょ商談が始まりました。

 バルバドス(カリブ地域) コービー店経営者
 「抹茶は、世界中でとても人気が上がってきています。コーヒーショップで何か抹茶を利用できないかと考えています。値段は高いですが、品質のいいものに、安いものはないので」

 世界から熱視線が注がれる抹茶。しかし、ブームの裏には、まろやかではない苦い現実も。

■市営の茶室 値上げ

 (中谷しのぶ キャスター)
 今、世界的な抹茶ブームの裏で、身近なお茶もピンチになっているということで、見ていきたいんですけれども。こちらです。

 市営の茶室なのですが、使用料を値上げするという判断に至りました。お点前体験は1200円アップ、そして抹茶も500円アップということで、背景には抹茶原料の価格高騰、5年で約4倍に跳ね上がっているからということなんです。

 抹茶を含む緑茶の輸出額なんですが、24年から25年にかけてぐっと上がっていて、前年比で約2倍、去年は721億円ということで、そのうち抹茶が84%を占めています。

■日本の“お茶業者”に異変

 (中谷しのぶ キャスター)
 その一方で、生茶業が倒産・休廃業・解散するケースが相次いでいます。

 2025年は半年間で11件に上っていて、2024年の10件を上回っているんです。このペースでいくと、過去最多になるんではないかとみられています。

 背景には、海外輸出などの販路を持たないお店も多いということと、あとは若者の日本茶離れです。また葬儀向けの需要が家族層など個人単位になってきて、減ってきていることがあげられるということなんです。

(Q:需要はあるのにということですが?)

 (横須賀ゆきの 解説委員)
 なかなか難しいのが、煎茶からなんとか抹茶に生産切り替えていってみんな頑張ってます。それでも追いつかないというのが今の状況で、結局この休廃業とか解散の件数が上がっているから値段も高くなっていく、作るところが少なくなるからということです。

 (中谷しのぶ キャスター)
 抹茶に切り替えている農家さんも多いという話がありましたが、逆にそれが影響してこういうことも起きているんです。

■煎茶がピンチ 次々と「抹茶」に転向

 (中谷しのぶ キャスター)
 抹茶人気の裏で、番茶が5倍、緑茶3倍、仕入れ価格が値上がりしているということです。この「お~いお茶 緑茶」ペットボトルの600mlですが、3月出荷分から21円値上げということも起きているんです。

 その背景には、抹茶人気を支えるためにも、煎茶をやめて抹茶を作ろうという農家さんが増えてきている。ちなみに煎茶も抹茶も、原材料は同じ茶葉なのです。育て方が、煎茶は日光に当てる。一方で抹茶は日光を遮って育てる。そういう育て方の違いなんですが、抹茶を増やそうと転向する農家さんが増えていて、緑茶などの生産が逆に減少してしまって価格高騰に至っているということなんです。

 ではその対策ですが、「お~いお茶」の伊藤園さんは、このような取り組みも行っています。

 全国各地でお茶畑を増やして生産者を増やし、原料を確保したいということです。この辺りをサポートできたらいいなと思います。

 (横須賀ゆきの 解説委員)
「お~いお茶」も、大谷選手の影響ですごく世界中で知られるようになって、日本茶が世界で親しまれてるんですよね。国はマッチングやってないわけではないんですけれども、細々とやってますみたいに見えてしまっているので、これだけ煎茶もそれから抹茶も売れるのであれば、大々的にお茶屋さんたち、農家さんバックアップしていく試みがあってもいいんじゃないかなと思います。

 (中谷しのぶ キャスター)
 お米の生産体制などとも重なるところがあるかと思うのですけれども…。

 (横須賀ゆきの 解説委員)
 今まで国内マーケットだけで完結できていたのが日本なので、急激な人口減少にちょっと対応できてないってところは課題として、日本国の政府にもありますよね。

 
 (中谷しのぶ キャスター)
 この日本の強みを、ぜひ活かしていける体制を考えてないといけない時期に、もう来ているなと感じます。

▼特集動画や深掘り解説、最新ニュースを毎日配信 チャンネル登録はこちら
https://www.youtube.com/channel/UCv7_krlrre3GQi79d4guxHQ

▼読売テレビ報道局のSNS
TikTok https://ift.tt/7FdCfQo
X(旧Twitter)https://twitter.com/news_ytv

▼かんさい情報ネットten.
Facebook https://ift.tt/DTsxwV6
Instagram https://ift.tt/q1znDV5
X(旧Twitter)https://twitter.com/ytvnewsten
webサイト https://ift.tt/fE3DnzH

▼読売テレビニュース
https://ift.tt/leHmC4O

▼情報ライブ ミヤネ屋
https://ift.tt/HW1gp5P

▼ニュースジグザグ
X(旧Twitter)https://x.com/ytvzigzag 
webサイト https://ift.tt/JGp34el

▼情報提供はこちら「投稿ボックス」
https://ift.tt/hS6FctX

読売テレビニュースカテゴリの最新記事