ゲームで伝える震災の教訓 気仙沼で被災した19歳が制作【news23】

ゲームで伝える震災の教訓 気仙沼で被災した19歳が制作【news23】

ゲームで伝える震災の教訓 気仙沼で被災した19歳が制作【news23】

東日本大震災「つなぐ、つながる」プロジェクト。今回はゲームで震災の教訓を伝える取り組みについてです。制作したのは自らも被災した19歳の大学生。ゲームに込めた教訓とは?

宮城・気仙沼市出身 畠山瑛護さん
「いまゲームのグラフィックを作る作業に取り掛かっております」

畠山瑛護さん(19)。ゲーム好きが高じて自ら制作しています。

地元、宮城県気仙沼市から去年上京し、現在は都内の大学に通っています。ここでもやっていたのはゲームでした。

畠山瑛護さん
「新しく作ったゲームのテストプレイをやっているところ」

先月末、完成させたばかりのゲーム。その名も「気仙沼クエスト 3.11エディション」。

主人公は気仙沼のゆるキャラ「ホヤぼーや」。立ち並ぶ建物は仮設住宅です。ゲームをすることで震災の教訓を得られるといいます。

畠山瑛護さん
「ゲームという媒体の特徴として、体験、経験を伝えるにはすごく優れている媒体」

いまから11年前の東日本大震災。畠山さんは小学2年生でした。

津波によって自宅は全壊。畠山さんや家族は無事でしたが、大好きだったゲームも流されてしまいました。

畠山瑛護さん
「学校も全然再開しないしゲームのイラストを絵で描いて・・・」

震災後はボランティアの姿が強く印象に残っているといいます。

畠山瑛護さん
「僕もしてみたいなという憧れが芽生え始めて」

“気仙沼のために自分も何かしたい”。高校1年のとき、町を活気づけようと完成させたのが気仙沼市内を観光できる町歩きゲームです。眼鏡をかけたキャラクターは・・・実際にいました。

ゲームに登場する店主
「気仙沼を訪れたことがない人にもお店があることをわかってもらえる。これはすごい、嬉しくなりました」

ただ、3年前に作った町歩きゲームでは震災に触れませんでした。なぜいま、震災をテーマにしたゲームを新たに作ろうと考えたのでしょうか。

畠山瑛護さん
「東京に来たのがきっかけ。(震災の)教訓を他の地域の人達はやはり持っていないんだとすごく思って。震災の記憶を伝えるということに対する使命感みたいなものが出てきたんですよね」

今年1月、畠山さんは悩んでいました。

畠山瑛護さん
「ゲームというのは楽しいもの。暗いイメージになりすぎるのも考えもの」

“ゲームは楽しいもの”震災をどう描いたらいいか、その難しさに直面していたのです。

畠山瑛護さん
「瓦礫をドット絵で描きたくない、いくらそこに教訓があるとはいえ」

2月上旬、畠山さんが訪れたのは気仙沼市の伝承館。4階まで被災した気仙沼向洋高校の旧校舎を震災遺構として保存しています。

畠山瑛護さん
「当時を思い出しちゃいますね。ちょうど忘れていたようなところが」

11年前のあの日のこと、畠山さんは止まらない涙を何度も拭っていました。佐藤館長がそっと寄り添います。そして震災の教訓をこう語りました。

気仙沼市 震災遺構・伝承館 佐藤健一館長
「前提にとらわれず備える、上限がない災害というのを伝えることを色んな形で多くの取り組みをして、広げることは大切」

“前提にとらわれず備える”館長の言葉をきっかけに震災の描き方がみえてきたようです。

畠山瑛護さん
「仮設住宅のドット絵が完成しました」

セリフは気仙沼らしさを生かして・・・

畠山瑛護さん
「『俺は怒っかんね、どごの童子でも』これは非常に気仙沼っぽいですね」

そしてゲーム制作開始から2週間。

畠山瑛護さん
「気仙沼クエスト3.11エディション、完成しました」

舞台は2011年夏、震災後の気仙沼。仮設住宅で遊ぶ子どもたちにタッチして友達を100人作るとクリアです。

しかし、ゲームを進めていくとたびたび余震が発生します。身の安全が確保できるまでは、あの日、大勢の人が避難した「安波山」へ。

避難しないと、時におじいさんに怒られることも。すると友達は0人になって振り出しに。

畠山瑛護さん
「逃げるべきか逃げないべきかという駆け引きを感じてもらえれば」

この日、完成したばかりのゲームを大学の友人にプレイしてもらうことにしました。

大学の友人
「たしかに震度3でも逃げるべきだな」
「そうだね」

余震の度に、避難するか・しないか問われます。

大学の友人
「逃げなきゃいけないんだけど、でも逃げるの面倒くさいなと思ってしまうという、その心情をすごく体験できる」

ゲームでは瓦礫は描きませんでした。畠山さんが伝えたかったこと、それは“避難の心構え”だといいます。

畠山瑛護さん
「どう逃げるかという知識よりかは、その知識を持っていながら実際に避難行動をすぐに起こした人が何人いるのか。東日本大震災の反省がそこに一番あるかなと思った」

あの日から11年。ゲームで教訓をつないでいきます。

畠山瑛護さん
「次の世代の人にぜひプレイしてもらいたいのは強い思いとしてあって、クリアした暁には何を言わずとももうそれは伝わっている。僕としては面白いゲーム作ったんで、ぜひクリアしてね」
(10日23:30)

#東日本大震災 #つなぐつながる

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