「事故の賠償金が支払えない」男女5人逮捕　弁護士役に事故の関係者役と役割分担『劇場型詐欺』の手口

「事故の賠償金が支払えない」男女5人逮捕　弁護士役に事故の関係者役と役割分担『劇場型詐欺』の手口

　交通事故の示談金を借りる名目で女性から約200万円をだまし取ったとして、男女5人が逮捕された事件。5人のいびつな関係と手口の詳細がわかってきました。

　捜査車両のなかで堂々と前を向く男や、カメラに気づきうつむく女たち。

　16日、詐欺の疑いで逮捕された無職の長野直樹容疑者（47）ら男女5人です。

　「交通事故を起こして相手方に支払うお金が足りない」

　5人は2022年、知人の20代の女性に対し、交通事故の示談金を借りる名目で、あわせて210万円をだまし取った疑いがもたれています。

　警察によると、大阪市浪速区の1室1万円ほどのホテルに一緒に住んでいたとみられる男女5人。

　9月上旬の朝、取材班がホテルの前で張り込んでいると1台の軽自動車が現れました。

　乗っていたのは、長野容疑者ら。
　読売テレビの取材では、5人がホテルに出入りする様子や、この車を使ってコンビニエンスストアに向かう様子など、行動を共にしている状況が確認できました。

　5人は中学の同級生などということですが、見えてきたのは、役割を分担するいわゆる“劇場型詐欺”の手口です。

　まず、石井加奈子容疑者（42）が知人の女性に「事故の賠償金が支払えない」などと言って現金50万円を振り込ませます。

　その後、石井容疑者は“事故の関係者”と名乗る角野綾子容疑者（43）とともに再び知人女性に会い、「金が足りない」などと言ってさらに現金を受け取り。
　今度は長野容疑者が“弁護士”役、小島愛子容疑者（40）が“アシスタント”役として登場し、「現金を貸した証拠を作成するのに金が必要」などと言って、あわせて210万円をだまし取っていたということです。

　捜査関係者によると、長野容疑者はグループの監督的な立場だったとみられ、共犯の女のうち数人は長野容疑者に洗脳され、加担させられていた可能性もあるということです。

　5人が同居していたとみられるホテルの近くにある店の店主は…。

　ホテル近くの店主
「私たちは民泊の掃除の人と思っているから、きのう新聞を見てそこで住んでいると思わなかった。びっくりした。そんなお金の詐欺って」

　長野容疑者は調べに対し「事実は概ね合っています。間違いありません」と容疑を認めているということです。

　警察は、5人の関係や役割について捜査するとともに、他にもよく似た被害が複数あるということで、関連を調べています。

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