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難航するデブリ取り出し 汚染水も、廃炉への道筋は 福島第一原発
被災地の今を見つける「つなぐ、つながる」プロジェクトです。事故から11年がたつ東京電力・福島第一原発では、溶け落ちた核燃料の取り出しが難航し、高濃度の放射性物質を含む汚染水もたまり続けています。廃炉への40年計画の道筋はどうなっているのか、現地を取材しました。
記者
「1号機の上の部分は鉄骨がむき出しになり、爆発の威力がわかります」
今も瓦礫が散らばる福島第一原発1号機。原子炉建屋の中には、メルトダウンした核燃料が手つかずのまま残っています。
記者
「あちらに見えますのは1号機です。カバー取り付けのため、今ほぼ、外壁からすべてのカバーが取り払われた状態になっています」
作業員が作業をする外壁周辺の放射線量は毎時0.3ミリシーベルト程度で、作業員は一日3時間ほどの作業ができるようになっています。現在は廃炉に向け、鋼鉄製のカバーを新たに取り付ける準備作業が進んでいます。
福島第一原発の喫緊の課題。それは、たまり続ける処理水です。溶け落ちた核燃料で汚染された地下水や雨水。放射性物質の除去処理をしてもトリチウムなどが残った「処理水」は、一日150トンずつ増えています。
記者
「汚染水はアルプスで処理されたあと、処理水となって、こちらのタンク群に貯められます。そして、海水で薄められ、来年から海に放出される計画です」
東京電力は処理水をタンクから沿岸部まで移送し、海底トンネルを作り、およそ1キロの沖合で放出する計画です。今回、東京電力はトンネルの入り口となる「たて穴」を初めて公開しました。東京電力は来年春までにトンネルを完成させ、地元の理解を得て、放出を始めたいとしています。
そして、廃炉の「最難関」が、溶け落ちた核燃料が格納容器の中で固まった「燃料デブリ」の取り出しです。東京電力は今年初めて、1号機で燃料デブリの可能性があるものを撮影したと発表しました。デブリの調査が先行している2号機でも当初、今年度を予定していた本格的な取り出し作業の開始時期は決まっていません。廃炉は最長40年の計画ですが、燃料デブリの取り出しは、まだ第一段階。さらに、デブリを取り出したあとも、建屋の解体などが続きます。
東京電力・廃炉推進カンパニーの小野プレジデントに聞きました。
東京電力 福島第一廃炉推進カンパニー 小野明プレジデント
「まだ燃料デブリがどういうものかもよくわかっていませんし、1F(福島第一原発)の廃棄物としてどういうものが発生するかもよくわかっていません。どんどん時間がたてばたつほど、廃炉を進めていくほど先が見えてくるので、40年という期間を踏まえて、いろいろな廃炉作業を進めるアプローチは非常に大事」
実は、廃炉作業の最終工程自体、「更地」にするのか、「設備を残したままにするのか」など、いまだに決まっていません。
廃炉のゴールを見据えた検討が必要とされています。
(09日10:41)
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