「私立を選ぶハードル下がっている」大阪府立高校で合格発表も、4割以上が定員割れ　無償化の影響は？

「私立を選ぶハードル下がっている」大阪府立高校で合格発表も、4割以上が定員割れ　無償化の影響は？

　大阪の府立高校では19日、一般入試の合格発表が行われました。今年は半分近くの学校が定員割れとなり、公立高校の在り方が問われています。

　午前10時、大阪府立夕陽丘高校では、合格者の受験番号が記された掲示板が設置されました。番号を見つけた受験生からは笑顔があふれました。

　合格した生徒
「1週間ずっと心配だったので、すごいうれしい」
「めちゃくちゃうれしかったです。めっちゃうれしいです。今まで頑張って良かったです」

　夕陽丘高校の今年の倍率は1.23倍と、去年よりもやや高くなりましたが、今年、大阪の公立高校では受験生の減少が目立ちました。

　志願者の数は約3万6000人と去年よりも2000人ほど減少し、平均倍率は1.05倍。今の入試制度になった2016年度以降では、最も低い倍率となりました。

　また、4割以上を占める32校は定員割れとなりました。定員割れの状態が続き、改善の見込みがないと統廃合することになります。

　公立高校の志願者が減った要因の一つと考えられるのが、私立高校の授業料の無償化です。大阪府では4月から段階的に導入されます。

　合格した生徒
「中学校のクラスの半分以上は私立（を受けた）」

　保護者
「私立を選ぶハードルが下がっている」

　合格した生徒と保護者
「私立は大学も付いているので、大学受験がなくなるという理由で私立を選ぶ方も周りにはいた」

　私学の人気が高まる状況に、大阪府の吉村洋文知事はー。

　大阪府・吉村洋文 知事
「一定の傾向は出るだろうと思っていました。公立高校としても、より選ばれるように教育の質を高めていく。切磋琢磨（せっさたくま）して、より良い公立教育を目指していく」

　教育現場は、この状況をどのように捉えているのでしょうか？

　夕陽丘高校　宮城憲博 校長
「（定員割れについて）正直、他人事とは思えない。どんどんと学校を取り巻く環境が大きく変わってきているので、そのあたりをいち早くキャッチしながら、ニーズに応えられるような学校づくりが大切」

　府の教育委員会は今後、府立高校のあり方を見直すため、 入試制度や日程を含め検討していくとしています。
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