涙の見送り…中学生 約250人が白山市へ“集団避難” 授業は当面自習「洗濯は各自で」【スーパーJチャンネル】(2024年1月17日)
能登半島地震の被害で学校再開のめどが立たないなか、中学生およそ250人が集団避難のため、家族の元を離れました。行き先はおよそ100キロ離れた石川県白山市です。避難を決断した娘を母親が涙を流しながら見送りました。
■受験控え 一部の学校で授業再開
つかの間、穏やかな晴れ間が戻った被災地。子どもたちの日常は、少しずつ戻りつつあります。避難所となっている穴水町の中学校。受験を控えた3年生の授業がオンラインと対面で再開されました。
生徒
「皆の顔見て、本当に元気そうだなとほっとした」
「頑張って勉強して受かりたい」
ただ、余震におびえる状況は続きます。
生徒
「(Q.普段通り勉強できている?)いや、できていない」
「余震の怖さもあるので、安心できる環境とは言えない」
穴水中学校 広沢孝俊校長
「4割くらいの子どもたちが町外に出ている。すべての子どもに、全く同じように学力の保障ができればいい。学習の機会を与えることができればいいなと」
■中学生 約250人が“集団避難”
町を出る決意をした中学生もいます。輪島市に住む中学1年生・杉木穂華さん。家族と別れ、集団避難することを決めました。
母親
「穂華、これ入れるよ」
穂華さん
「うん」
母親
「水でいいやろ?」
穂華さん
「うん」
母親
「皆と仲良く、地震におびえずにいてもらいたい」
穂華さん
「家族でしかできない楽しいことができなくなるのが寂しい」
輪島市では市内すべての中学校が避難所になっています。そのため、およそ100キロ離れた白山市の宿泊施設に集団避難することを決めました。およそ400人のうち、本人が希望する250人ほどが17日、故郷を後にしました。
中学3年生
「こっちにいて学校が再開しなくて、勉強面で不安なことが多かったので、少し授業できるのが安心です」
友達と過ごす生活を楽しみにする子どもたち。保護者は対照的に、寂しさと不安を抱えます。
保護者
「不安もあるし、こっちにいても、いつ何あるか分からないし。その点では半々の気持ち」
■「寂しくなってきた」涙の見送り
朝、荷造りを済ませた杉木さんも住み慣れた家を後に…。バスの出発場所へ着きました。
母親
「きのうも一緒に寝ました。秘密やけど」
見送りに来た母。照れなのか寂しさなのか、穂華さんは目をそらします。数週間前には思いもしなかった“突然の旅立ち”です。
母親
「家では大丈夫やったけど、涙なんか全然なかったけど寂しくなってきた。離れたこともないし、寂しい。一番下で甘えん坊やし。生まれてから、こんな長く離れたことなかったから涙出てきた。もう寂しいっていう連絡が入ったら、週末休みみたいなので、会いに行ってもいい」
■授業は当面自習「洗濯は各自で」
午後になり、避難先に無事到着した中学生たち。期間は2カ月程度。白山市の2つの施設が受け入れ先です。授業は当分自習で、8人と10人部屋になります。洗濯などは備え付けのものがあるため、各自で行うそうです。
石川県教育委員会事務局 学校指導課 東原修身課参事
「大変な思いをした子どもたちがこうやって来てくれて、しっかりと生活を整えてあげられるよう支えていきたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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