住宅に生き埋め中…撮影した38秒 大津波警報が聞こえ「溺死かな」 15時間後に救出【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月17日)
能登半島地震で自宅が崩れ、15時間下敷きになった男性が撮影した映像です。大津波警報も鳴り響き、死を覚悟したという男性が救出までの一部始終を語りました。
■「気付いたら真っ暗」撮影した38秒
巽通敏さん(52)
「何がどうなっとんの?」
苦痛にうめく、荒い息遣い。カメラが捉えたのは、がれきの下のわずかな隙間です。
1日の能登半島地震で家屋が倒壊し、生き埋めになった男性がスマートフォンで撮影した38秒の映像です。
巽さん
「気付いたら、目の前が真っ暗。生き埋めになっていた」
撮影された場所は、石川県の珠洲市。多くの家屋が倒壊し、たくさんの犠牲者を出すなか、珠洲市嘱託職員の巽さんは地震の翌日、およそ15時間ぶりにがれきの中から奇跡的に救出されました。
巽さんに何があったのでしょうか。
巽さん
「(Q.最初の地震がありましたが)その時、2階の自分の部屋にいたんです。私は珠洲市の職員なので、震度4以上あったら行かないとダメ。(役所に)行こうと思って1階に下りたら、2回目のでかいのが来て。目の前の茶だんすが倒れたり、天井が落ちて来たり、もう立っておれない状況で、座り込んだら天井が落ちて来たのか。気付いたら、目の前が真っ暗で、生き埋めになっていた」
■大津波警報が聞こえ…「溺死かな」
無我夢中で撮影を始めた巽さん。スマートフォンのライトで照らし出されたのは、むき出しになった釘や、折れた柱。どちらが上なのか下なのか、状況がのみ込めません。
巽さん
「(Q.体は何かに挟まれていた?)左胸に柱かはりが落ちてきて圧迫。全く動けない状況だった」
余震の度に、崩れ落ちる天井。胸への圧迫が強まり、息苦しさが増しました。
スマホの電波は弱く、電話してもつながりません。そんな状況のなか、町の防災無線から聞こえてきたのは、「ただちにに安全な場所に避難してください」と伝える津波警報でした。
巽さんの自宅は、海からおよそ200メートルしかありません。
巽さん
「大津波警報の防災無線を聞いて、『ああ、これで溺死(できし)かな』と思った」
生き埋めになり、どれほど経ったころか分かりませんが、スマホのアンテナが1本立った瞬間を逃さず、近くに住む兄に助けを求めました。
巽さん
「翌朝、兄が近所の人みんなに声を掛けて、救助してくれた。色々言っていました。『ノコギリ持って来い』とか、『バール持って来い』とか」
救助されたのは、明け方の午前7時ごろ。生き埋めになってから、およそ15時間後のこでした。
巽さんは肋骨(ろっこつ)を折ったほか、頭を数針縫いましたが、命に別状はありませんでした。
巽さん
「近所の人たちが危険を顧みず来てくれた。命の恩人ばっかりです」
■断水続く被災地に“冬の嵐”
七尾市の観光名所「一本杉通り」でも、近所の助け合いがありました。
大衆浴場の入り口には、「井戸水が使えるようになりました」「ご自由にどうぞ」と書いてあります。
断水が続く七尾市で、井戸水は貴重です。井戸の持ち主が、近隣住民に開放している場所があちこちにありました。
地元住民
「(Q.この水は井戸水ですか?)井戸水らしいです。お風呂屋さんの」
急がれる被災地の復旧。しかし、それを阻むのが、降り積もった雪です。地震で凹凸のできた路面を隠すなど、通行には危険な状態となっていました。
さらには、除雪をしなければ工事がままならない状況。厳しい寒さに、復旧作業が足止めとなっているのです。
建設会社山組 山本善光社長
「(Q.雪の影響は?)見通しがきかないと危険。あす以降は天気がいいようなので、雪が消えてほしい」
(「グッド!モーニング」2024年1月17日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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