密着!救急クリニックの医療現場 コロナ5類移行後初の年末年始「過密スケジュール」【ワイド!スクランブル】(2024年1月5日)

密着!救急クリニックの医療現場 コロナ5類移行後初の年末年始「過密スケジュール」【ワイド!スクランブル】(2024年1月5日)

密着!救急クリニックの医療現場 コロナ5類移行後初の年末年始「過密スケジュール」【ワイド!スクランブル】(2024年1月5日)

 新型コロナ5類移行後、初となった年末年始。救急の患者をほとんど断ることなく受け入れている救急クリニックに密着した。
 
■年明けからも過密スケジュール 院長に密着
 
救急隊員
「2センチぐらいの挫創(ざそう)で、白っぽいものが見えている」
 
男児(7)
「もうやだ。もうやだ。やられる~」
 
 処置室に響く叫び声。額には痛々しい傷が…。救急搬送されたのは、7歳の男の子。自宅で転倒し、頭をテレビの角にぶつけ、額を切ってしまったという。
 
川越救急クリニック 上原淳院長(60)
「もうちょっと、もうちょっと頑張って」
 
 励ましながら、処置を行うのは、川越救急クリニックの上原院長だ。およそ20分で、無事に3針の縫合を終えた。

男児の母親
「頑張ったね。ありがとうございました」
 
 川越救急クリニックは、夜間を中心に救急搬送を受け入れながら、夕方から夜にかけての外来診療も行っている。現在、上原院長と副院長の2人が交代で勤務している。
 
 上原院長の年末のスケジュールを見ると、2023年12月29日午後4時から30日午前9時まで働き、その日の午後4時から、今度は24時間勤務。また年明けも過密なスケジュールが続く。
 
患者の家族
「大掃除をしていて、ガラスでやっちゃいました。フランス人です」
 
 大掃除でガラス製の入れ物を洗っていたところ、割ってしまい、両手をけがしたという。左手には軟膏(なんこう)を塗り、右手は6針縫合をした。

患者の家族
「ありがとうございました」
「年末でどこもクローズしてたから、助かりました。これで元旦を迎えられます」
患者
「おかげさまで」
 
 新年を迎えた元日も、上原院長は診察を行っていた。ろっ骨を6カ所骨折した83歳男性が、外来で運ばれてきた。一体、何が…?
 
■1人の医師が発熱外来と院内を行き来

 川越救急クリニックは年末年始も休まず、診療を行っている。
 
患者の父親
「息子がきのうから熱出て、きのう来ようと思ったが、(発熱から)12時間経ったくらいじゃないと(検査結果が)分からないということなので、きょうやっていると聞いたので来ました」
 
 元日は周辺の病院に休みが多く、行き場のない患者たちが駆け込んできた。
 
上原院長
「みなさん、あけましておめでとうございます。気持ちを新たに、きょうからまた1年頑張りたいと思います」
 
 上原院長がまず行うのは、防護ガウンを着ることだ。
 
上原院長
「(Q.今も防護ガウンを着る?)厚労省から(コロナの)発熱外来続けなさいと指針が出ているので、そのまんま前回の通りやってます。発熱いきます」
 
 新型コロナ5類移行後も、発熱患者を極力、病院内に入れないよう外のプレハブで診察するなど警戒を怠っていない。
 
上原院長
「コロナはちょっと上り調子で増えてきてます。年明けたので、これで新学期始まって、第10波くるかなって感じです」
 
 この日、発熱外来にやってきた患者のうち32人が検査を行い、インフルエンザA型が19人、新型コロナの陽性が6人だった。
 
 上原院長は、なぜ年末年始も休まず、夕方から夜間をメインに診療する救急クリニックを開いたのか?
 
上原院長
「風邪ひきから、発熱から、胃腸炎から、みんな大学病院に運び込まれていたんですよね。僕がいた時は。大学(病院)の負担を軽くするためにも、どこかで門戸をつくらないといけないかなと思って」
 
 上原院長は、かつて埼玉医科大学の高度救命救急センターで医局長をしていた。重篤な救急患者に対応する三次救急の医療機関に本来、一次救急で対応すべき症状の軽い患者まで搬送され、医師が疲弊していたという。
 
 そこで「軽症患者を受け入れる夜間の救急医療機関があれば、高度な救命救急センターの負担を減らせる」と思い、2010年に救急クリニックを開業した。去年は1年間で、1692件の救急搬送を受け入れたという。
 
 午後5時すぎ、処置室に運ばれてきたのは83歳の男性。前日の午後10時ごろ、風呂場で転倒し、背中の右側の痛みと腫れを訴えているという。
 
 川越救急クリニックでは、1人の医師が発熱外来の診察場所と院内を行き来して、対応している。
 
 風呂場で転倒したという男性のCT画像を見てみると、上原院長は「空気が肺から外に漏れちゃってる」と話した。さらに、ろっ骨の3D画像では、ろっ骨6カ所を骨折し、折れた骨により、肺が傷ついてしまったという。

 上原院長は「血気胸」と診断し、胸腔内に溜まった余分な空気などを排出する処置が行える大きな病院に転院搬送することになった。
 
 元日、クリニックは3件の救急要請を受け入れた。

上原院長
「病気には盆も正月もないと。24時間、病気は選ばないので。『君たちはそういう覚悟があるのか』と言われて、学生の時に育てられたので。『そういう覚悟はあるよ』というところを見せているだけです」 
  
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年1月5日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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