相次ぐ企業の「ロシア撤退」 欧米は抗議 日本企業は

相次ぐ企業の「ロシア撤退」 欧米は抗議 日本企業は

相次ぐ企業の「ロシア撤退」 欧米は抗議 日本企業は

アップルやナイキが、ロシアでの商品の販売停止を表明するなど軍事侵攻を非難する動きが広がっています。いま日本企業の対応が問われています。

千葉県・柏市にある植物工場。テニスコート5面分の敷地で、1日4000個のレタスを生産しています。

MIRAI 野澤永光社長
「この白いパネルを水の上に浮かべると、そこで育っていく。これが、こうできあがっていく」

実はこの技術、冬に野菜の栽培が難しいロシアに輸出されてます。しかし、ロシアへの制裁で海外送金が困難になった上、物流は混乱。ロシア政府が政策金利を20%にひきあげたため、融資を受けるのが難しくなり・・・

MIRAI 野澤永光社長
「工場1個新しいところを作る計画が、少し頓挫しているところ」

日本の自動車メーカーもきのうから相次いでロシアへの輸出や現地生産の一時中止を決めています。部品の供給不足や決済の問題などが要因だとしています。一方、この動き。海外企業では少し違います。

アップルはロシア国内でiPhoneなどすべての製品の販売を停止。

アップル ティム・クックCEO
「平和を求めるすべての人々とともに行動します」

ナイキもロシア国内でのサイトでの商品販売を停止。ディズニーは、映画公開を停止しました。

ウォルト・ディズニー・カンパニー
「不当な侵攻と悲劇的な人道危機を考慮した」

各社、抗議の意思をあらわにしています。専門家は・・・

日本大学 危機管理学部 小谷賢教授
「欧米の企業というのは、企業でありながら政治的(人道支援など)な理由を掲げている。それに対して、日本の企業というのは経済的な理由を掲げているということになります」

この状況があらわとなっているのが、ロシア極東のサハリンにおけるエネルギー事業です。イギリスの大手石油会社「シェル」やアメリカの「エクソンモービル」が撤退を発表。一方で、プロジェクトに参加する日本政府や商社各社は、今後の対応については明らかにしていません。

プロジェクトに関わった政府系金融機関のトップですら・・・

「サハリン2」開発に関わった国際協力銀行 前田匡史総裁
「日本だけがですね、自らのエネルギーの事情だけを言ってですね、あたかも何もなかったかのように振る舞うということは、これやっぱないんだろうと思いますね」

と発言しました。

人権や環境への配慮が企業に求められる中、専門家はロシア問題への企業の姿勢は最も重要だと話します。

日本大学 危機管理学部 小谷賢教授
「戦争を始めるような国とは取引しませんよとかですね、そういうことが世界に向かって発信できる企業は強いということですね」

日本企業は“静観する”リスクに直面しています。
(03日17:23)

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