“逆風”続く中で開幕まで500日 万博の前売り券発売「ミャクミャク」電車も 機運の高まりなど課題
大阪・関西万博の開幕まで、11月30日で500日を迎えました。30日から入場券の販売も始まり、様々な記念イベントも行われています。
「出発進行！」
いよいよ、大阪・関西万博まであと500日。30日、JRや私鉄各社は万博仕様のラッピング列車を運行。さらに、東京でも記念イベントが開かれました。前売り入場券のチケット販売も30日から始まり、開幕に向けて大きく走り出した大阪・関西万博。しかし、視界は良好とはいえません。
岸田文雄首相（今年8月）
「万博の準備はまさに胸突き八丁の状況にある。極めて厳しい状況に置かれている」
大阪府 吉村洋文知事（11月1日）
「2回目の増額になったことについて、府民の皆さんにお詫びいたします。そして、国民の皆さんにもお詫びいたします」
建設資材の高騰などから会場建設費は2度も増額。当初の計画より約2倍に膨れ上がりました。また万博の目玉とも言われる海外パビリオンは、まだ1件も着工されておらず、工期の遅れが指摘されています。
万博への期待について、30日、東京都内で尋ねるとー。
（Q.万博のキャラクター「ミャクミャク」と言うんですが？）
「ミャクミャク？」
「興味ないもん」
「万博で何をするのかが知らないので。（Q.行く予定は？）ないです」
「予定が合えば、行ってみたいと思います」
全国での機運の高まりが課題となる中、大阪市の横山英幸市長はー。
横山英幸市長
「たくさんの期待の声もいただいています。 認知度や来場意向度に課題があるというのは当然認識しています。一人でも多くの方が万博会場にお越しいただけるよう、魅力を感じていただけるよう、発信を強化していきたい」
500日前の節目で万博への”逆風”が収まらない中、開催に向け“待ったなし”の状態が続いています。
◇◇◇
（万博建設会場の夢洲から中継・報告＝平田 博一記者）
万博への機運をいかに高めていくのかは、万博協会も大きな課題と捉えていて、幹部の1人は、前売り券の販売を始めるからには、 万博で何が体験できるのか、その中身を今後しっかりと示さなければならない、と厳しい表情で話していました。
その中身についてですが、協会は29日、新たに主要な3つの施設の完成イメージを発表しました。中でも大催事場は、黄金の屋根が特徴で、1970年大阪万博の太陽の塔をイメージした設計となっています。こちらでは開幕や閉幕のイベントが行われる予定です。当時のような人気にあやかれるのか、今後、万博の姿を具体的に示していくことが重要になると感じます。
（Q.本当に開幕に間に合うのでしょうか？）
『海外パビリオン』については、もともと60の国が自ら費用を負担して独自に建設を行う予定でしたが、未だに半分ほどが建設業者が決まっておらず、すでに断念する国も出てきています。
建設業界からは「すでにデッドラインは過ぎている」と厳しい声があがる一方で、協会関係者や財界関係者によると、国際的なイベントであるため、諸外国との関係上、今さら延期はありえないということで、当初の計画通りの姿で開幕を迎えるのは非常に厳しい状況となっています。
そんな中、入場者数2820万人という目標を達成できるのか。行きたいと思えるコンテンツ作りができるかがどうかが焦点となります。
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