意図しない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」一部薬局で処方箋なしで試験販売　プライバシーに配慮、服薬指導も

意図しない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」一部薬局で処方箋なしで試験販売　プライバシーに配慮、服薬指導も

　意図せぬ妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」について、28日から一部の薬局で医師の処方がなくても販売する試験的な取り組みが始まりました。必要とする人に薬が届く環境への一歩になるのでしょうか。

　28日、大阪市内の薬局を訪れると……。

　「こちらが緊急避妊薬。薬剤師の目の前で服用してもらう。1回1錠ですね」

　性行為から72時間以内に服用すれば、意図しない妊娠を8割程度防ぐことができる「緊急避妊薬」。日本では医師の診察を受け、処方箋をもらわなければ手に入れられませんが、28日から、全国で145の薬局でのみ処方箋がなくても販売されます。価格は1錠7000円から9000円です。

　ただ、販売は調査研究のために来年3月までの期間限定で行われるもので、購入できるのは、身分を示して研究への参加に同意した16歳以上の女性のみ。このうち18歳未満は保護者の同意が必要です。この薬局ではプライバシーに配慮して、別室で服薬指導が行われます。

　20代「（避妊に失敗しても）なかなか親に言えない人たちも知っているので、そうなった場合（薬局に）あった方がいいのかな」
　20代「すぐいるものやから気軽に買える方がいいのかな」

　一方、こんな声も……。
　60代「薬局で手に入る前に、学校で知識を教えてもらわないと。そうじゃないと、薬局で買えますというと促進しているようで」

　日本ではこれまで、性教育の遅れや乱用などを懸念する声があり、販売に慎重でした。

　ただ、すでに海外では90か国以上が薬局での販売を認めていて、3年前、世界保健機関（WHO）も薬局での販売検討を含めて緊急避妊薬に確実にアクセスできるよう求めています。

　さらに、生理や避妊などの相談に助産師が無料で応じる施設には、LINEや対面で女性たちの切実な声が寄せられています。

　18歳未満は、薬局での購入に親の同意が必要ですが、この制約によってアクセスできない人もいるのではと懸念します。

　スマルナステーション 助産師
　「『ネットで、親の同伴じゃないと処方してもらえないとみたから、すごく不安だけど、今回は諦めました。親にはやっぱり言えない』と、おっしゃる方もいる。ほしい人が本当にすぐに手に入る状況を妨げているのかもしれない」

　月に約30件ほど緊急避妊薬を処方し、100件以上の中絶手術を担当する産婦人科医は匿名性を担保するなど、必要な時に手に入れやすい体制が望ましいと話します。

　さくま診療所 佐久間航院長
　「コンビニとかでも普通に売っていればいいと思う。しかもそれが手に入りやすい値段で。ハードルをどんどん下げていってあげてほしい」

　女性の人生を大きく左右する妊娠。必要な人のもとに薬が届けられる 仕組みつくりが期待されます。

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