イスラエル軍警告、近く地上戦か 衛星写真で分析「退避ルート」“渋滞のワケ”は?(2023年10月16日)

イスラエル軍警告、近く地上戦か 衛星写真で分析「退避ルート」“渋滞のワケ”は?(2023年10月16日)

イスラエル軍警告、近く地上戦か 衛星写真で分析「退避ルート」“渋滞のワケ”は?(2023年10月16日)

 イスラエルが大規模な地上作戦に踏み切るとの見方が強まるなか、ガザ地区では新たに日本時間の16日午後6時までの退避が勧告されました。「避難ルート」で今、何が起きているのでしょうか。

■ガザの「避難ルート」で何が?

 イスラエル ネタニヤフ首相:「兵士たちは怪物を根絶やしにするためにいつでも行動する準備ができている」

 強硬な姿勢を見せるイスラエルのネタニヤフ首相。イスラム組織「ハマス」との衝突後、初めてとなる戦時内閣の閣僚会議を開き、ハマスが実効支配するガザ地区への大規模地上作戦の準備が整ったと強調しました。

 すでに、イスラエル南部のガザとの境界付近にはイスラエル軍の戦車などが集結しています。イスラエル軍は新たに歩兵や戦車部隊などの訓練映像を公開。「地上と空、海からの広範囲な作戦を実施する準備を進めている」と声明を出しました。

 対するハマスも戦闘員の訓練映像を公開し、「これがお前たちを待ち受けているものだ」と警告しています。これまでの死者はイスラエル側で少なくとも1400人、ガザ地区では2670人で、双方合わせて4000人を超えています。

 16日、ガザ南部のエジプト境界検問所の再開に合わせて人が集まってきています。ハマス戦闘員がイスラエル人のコミュニティーを襲ったという動画です。銃を撃ちながら住宅に近付くハマス戦闘員。部屋はまるで、つい今しがたまで誰かが暮らしていたかのように生活感が残っています。ガザ地区の住民は被害は民間人にも出ていると訴えます。

 避難民を乗せた救急車の運転手:「彼ら(イスラエル軍)は避難民が乗ったトラックや救急車を爆撃した。彼らは避難民を爆撃したんだ」

■「安全地域にも空爆」ジャーナリスト語る

 今、ガザ地区で何が起きているのか。ガザ地区に住むジャーナリストに話を聞きました。

 ガザ地区に住むジャーナリスト マフムード・カドゥーハさん(32):「どこも空爆されている。ガザ地区にはイスラエルに空爆されていない地域はない。兄の子どもは戦争の最初の日に亡くなった。17歳の子どもだった」

 車の屋根に布団を乗せて、南へ南へと避難する人々…。
  
 ガザ地区に住むジャーナリスト マフムード・カドゥーハさん:「あちらの路上にいる人たちですが、寝泊まりする場所がありません。夜になると道路で寝ています」

 ガザ地区北部に住む男性。

 ガザ地区に住むアランティースィーさん(44):「地上戦になれば状況はさらに悪化するでしょう。ガザは封鎖されているのでガザの外に出ることができません。牢獄のように封鎖され、なおかつ砲撃があります」

 イスラエルは、そのガザ地区北部に日本時間の16日午後2時から午後6時までの間、指定されたルートを標的にしないとして新たな退避勧告を出しました。

■2つのルート“渋滞のワケ”は?

 日本時間午後6時までの新たなタイムリミットが迫っています。退避ルートを使っての非難は本当に可能なのでしょうか。

 東京大学大学院 渡邉英徳教授:「きょう分析していて驚いた場所が1カ所ある。ちょうどイスラエル側がこの道を通って避難しろと指示した道。元々グレーだった場所が白く変わっています。恐らく道の色が変わっている所は渋滞が起きていて、車が詰まってしまっている」

 衝突が始まる前はグレーだったのが15日には白いポツポツした点が多数見られました。これは車が避難先に向かって渋滞していると分析しています。

 イスラエルは日本時間14日、ガザ地区北部からの退避ルートを2つ指定しています。さらに、日本時間15日には1つに変更されました。中東情勢に詳しい専門家は退避ルートが妨害されている可能性を示唆しています。

 防衛研究所 地域研究部アジア・アフリカ研究室 西野正巳主任研究官:「道路がふさがれているという情報は確かに出回っていて、実際に映像とかを見たらそうなのかなと思います」

 イスラエル外務省によると、2つあるうちの海岸側のルートの途中では問題が発生しているといいます。

 イスラエル外務省がSNSで公開した画像では道路が車で大渋滞。さらに、もう1つの画像には道路をふさぐように障害物のようなものがあります。ハマス側が設置したとイスラエル軍は主張しています。

 防衛研究所 地域研究部アジア・アフリカ研究室 西野正巳主任研究官:「イスラエル軍は可能であれば無関係な住民の犠牲者を出したくないと思い、軍事行動する時に銃撃なり攻撃なりをハマスの戦闘員に行おうと思った時、その空間内に民間人がいた方が攻撃しにくくなる」

 避難先のガザ地区南部。避難者が食料危機が起きていました。

 ガザ南部の住民:「ご覧のようにパンを求めて列を作っていますが、小麦粉も水も油もないんです」「これまで4軒回ったがどこも外に行列ができている。この状況でどうしたらいいか分からない。自分の番が来るまでここで座って待つしかない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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