オーストラリアで先住民の権利に関する「国民投票」あす実施もNO優勢で国論分かれる 先住民上院議員に単独インタ「私たちは平和を望んでいます」|TBS NEWS DIG
オーストラリアではあす、憲法改正の是非を問う国民投票が行われます。先住民の格差是正に向けた動きですが、市民や当事者である先住民が何を感じているのか取材しました。
あすに控えたオーストラリアの国民投票。先住民の地位確立を目指すため、「最初のオーストラリア人」は先住民だと憲法に明記することなどの是非を問うものですが、背景にあるのは格差です。
オーストラリアの人口のおよそ3%を占めるアボリジニなどの先住民は、国の平均よりも収入や教育水準が低く、また犯罪を犯す率は高いとされます。アルバニージー首相は、格差是正のため今回の「国民投票」の実施を決めたのです。
しかし。
記者
「こちらメルボルン市内中心部の公園です。“VOTE NO”、つまり、国民投票を否決せよと落書きが書かれています」
改憲案には先住民の意見を政府や議会に反映させる「VOICE(声)」と呼ばれる諮問機関の創設が含まれますが、賛否は分かれています。
反対派はこの機関について、「先住民」を優先することで社会を「分断」させるなどと主張。最新の世論調査では、憲法改正に▼「賛成」が46%なのに対し、▼「反対」が54%とほぼ世論を二分する結果となっています。
有権者
「先住民が望むなら支持します」
「多分ノーです」
「改憲に賛成して、何をもたらすか見えない。今チェンジする必要はないと感じる」
当事者である先住民は、どう感じているのか。JNNの単独インタビューに応じた先住民の上院議員は、“法的権限のない諮問機関では、本当の先住民の「声」は反映されない”と否定的です。
先住民 リディア・ソープ上院議員
「(国と先住民間の)「条約」がないまま憲法に組み込まれることに、同意はできません。私たちは平和を望んでいます」
格差是正のためには憲法への“先住民の明記”という曖昧なものではなく、国との先住民の間で、“法的に権利を保障する「条約」を結ぶ必要がある”というのです。
今回の改憲案に反対する国民も多いことについて、専門家は。
シドニー大学(政治学) ピーター・チェン教授
「最も大きな問題は、オーストラリア人の大多数が、先住民族の生きた経験をあまりよく理解していないことだと思います」
あすの投票で国内に存在する「分断」が露わになるのか。結果は、先住民問題を抱えるほかの国々にも影響を与えそうです。
▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://ift.tt/fuijJIz
▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1
▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://ift.tt/GCBEQDd
▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://ift.tt/8kRdFYw
コメントを書く