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【あさま山荘】19歳を駆り立てたものは…元連合赤軍メンバーが語る「あさま山荘事件」50年
武装闘争による革命を目指し若者たちが警察と銃撃戦を繰り広げた「あさま山荘事件」から、今月で50年です。当時19歳で立てこもったメンバーの1人が、半世紀たったいまの思いを語りました。
■5人が銃で武装、人質とり立てこもった「あさま山荘」
長野県・軽井沢町。雪深い山奥に現れたのは、急勾配の山道の上にたたずむ古びた建物。「あさま山荘」です。現在は民間団体が所有するこの山荘で、50年前、日本中が注目する事件がありました。
過激派組織『連合赤軍』のメンバー5人が銃で武装し、山荘の管理人の妻を人質にとって立てこもった「あさま山荘事件」。
──いま、ふられました! 壁に大きな穴があきました!
10日間の激しい攻防の末、1972年2月28日、警察は強行突入を決行。人質を無事に救出したものの、機動隊員2人と民間人1人が銃で撃たれて死亡。このとき、5人のメンバーは全員その場で逮捕されました。
■服役後に故郷で農業…当時19歳の少年をかりたてたものは
畑で農作業をする男性は、立てこもったメンバーの1人、加藤倫教氏(69)です。懲役13年の刑が確定し、服役したのち、現在は故郷の愛知県で家業の農業を営んでいます。
当時は19歳の少年だった加藤氏をかりたてたものは、なんだったのでしょうか。
加藤倫教氏
「日本の国民が幸せになるためには、今のような資本主義国ではなくて、社会主義国になった方がいいんじゃなかろうかと。(ベトナム戦争をする)米軍を、アメリカを支えている日本政府の政策なんかを変えさせるためにも、自分たちが武力闘争でとめようと」
「社会を良くしたかった」。その理想のための武装闘争は、10日間の“籠城”の末、終焉を迎えます。
■突入の状況は…かつての過ちを認め、今
──突入のときの状況は?
加藤倫教氏
「(籠城)10日目になったらもう(警察は)命令口調で、語調もかなりあげて呼びかけがされるようになったので、『きょうは来るな』というのはわかりました。放水とかガス弾がどんどん飛んでくるようになって、体もかなりぬれていましたし、呼吸もできないような感じがあったので、戦闘意欲というかそういうものは、ほとんどなくしてましたね」
加藤倫教氏
「籠城戦をやったことに私は納得するところがほとんどなかったので、当初からいずれ負ける、負けるというのは死ぬのかもしれないし、逮捕されるのかもしれませんけれども、まあ、予想通りの結果になったなという気持ちでしたね」
加藤倫教氏
「私たちが武装闘争までしようとしたのは、当時の情勢においても完全に間違っていた」
かつての過ちを認めながらも、社会への思いは変わらず持ち続けているという加藤氏。その模索は続いています。
革命という名のもと、尊い命が奪われた「あさま山荘事件」。命より大切なものはあるのか。50年前の事件がいまも私たちに問いかけています。
(2022年2月26日放送「news every.」より)
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