ブロック塀倒壊“鉄筋なかった” 小6男児“全治8週間”に祖父憤り(2023年9月27日)

ブロック塀倒壊“鉄筋なかった” 小6男児“全治8週間”に祖父憤り(2023年9月27日)

ブロック塀倒壊“鉄筋なかった” 小6男児“全治8週間”に祖父憤り(2023年9月27日)

 高さ1.3メートル、幅2.4メートルほどのブロック塀。この上の2段が崩れ、小学校6年の男子児童が足の骨を折る大けがをしました。1つ重さ10キロほど、大人でもようやく持ち上がる程度。これが12個も小学生の目線の高さから落ちてきたことになります。崩れた部分には塀を支える鉄筋は入っていませんでした。

■小6男児“全治8週間”に祖父憤り

 被害児童の祖父:「けがだけ早く治ってもらえるのが一番ありがたい。子どもやからね。痛がっているもんやけ」

 重傷を負った孫の身を案じる祖父。

 被害児童の祖父:「通学路というのは色んな面で改善してほしいと、それだけです」

 26日、福井県鯖江市で登校途中だった小学校6年の男子児童が崩れてきたブロック塀に挟まれ、右足のすねの骨を折る大けがをしました。

 鯖江市教育委員会担当者:「(当該児童が)事故発生現場で、手でブロック塀に触れたところブロック塀の上2段が崩落した」

 崩れる前の現場の映像と比べると、ブロック塀の上の部分がすっぱりとなくなっているのが分かります。

 市によると、崩れたブロック塀は6段積みで高さはおよそ1.3メートル。6年生の平均身長は146センチほどなので、顔のあたりにあったブロックが落ちてきたことになります。

 さらに、壁が崩れたことで見過ごせない問題も明らかになりました。

■ブロック塀倒壊“鉄筋なかった”

 鯖江市教育委員会担当者:「露出している部分に鉄筋の跡は見られなかった」

 崩れた壁の断面からは補強のための鉄筋は見えず、また、壁を支える「控え壁」も設置されていませんでした。

 鯖江市教育委員会担当者:「(Q.(鉄筋に関して持ち主は)知らなかった?)そこまで確認できてないです。(持ち主は)今回、そういった大変な思い、痛い思いをさせてしまってご迷惑をお掛けしたというご様子」

 持ち主は“危険な壁”と分かって放置していたのでしょうか。被害児童の祖父は憤ります。

 被害児童の祖父:「持ち主さんも『倒れるのは分かっていた』と、もう古いんで。でも(持ち主は)年配の方。無理なことも言えない」

 市は通学路の安全点検を行っていますが、今回のブロック塀は集合場所に向かうまでの場所だったため対象外。今後は…。

 鯖江市教育委員会担当者:「所有者が(ブロック塀を)撤去して、フェンスにすると言っていた」

■“鉄筋入れないとダメ”専門家指摘

 今回、崩れたブロック塀。中に鉄筋を入れなかったことは法令違反となるのでしょうか。

 1級建築士 建築エコノミスト 森山高至さん:「ブロック塀に鉄筋を入れないと一定の強度が出ない。鉄筋を入れないと駄目なんです。これは法律でも決まっている」

 ただ、義務付けが始まったのは1971年。

 1級建築士 建築エコノミスト 森山高至さん:「法律が成立する以前のものはどうなのというのは『既存不適格』。すでにあるけど現時点の法律には合っていないという解釈。古いものはある程度しょうがないし、それを点検したりチェックして現行の強度に合わせていくという必要があったのかもしれないけど、難しい」

 今回の事故を受け、市内の小中学校の校長による緊急会議が開かれ、教育委員会は来月4日までに危険な箇所の緊急点検を行うよう求めました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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