有名百貨店や大手スーパー“駅弁フェア”でも常連の“人気弁当店”食中毒か、食べた女性「立てなくなった」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
青森県の弁当店「吉田屋」の弁当を食べた人が、相次いで体調不良を訴えている問題。その数が約300人にのぼるなど、被害が拡大しています。
■原因は? 弁当で体調不良
上村彩子キャスター:
各地で報告が相次いでいる「弁当を食べたことによる体調不良」は、なぜ起こったのでしょうか。考えられる原因について、お伝えします。
弁当を食べて体調不良を訴えている人数です。青森県八戸市保健所によると、1都23県で295人。北は岩手県、南は熊本県と全国各地に広がっています。
弁当を製造しているのは、明治25年創業の老舗弁当製造会社「吉田屋」です。東京駅や新大阪駅などの主要な駅でも販売しています。さらに、有名百貨店や大手スーパーの“駅弁フェア”でも常連です。
今回問題となったのは、9月16日に販売した海鮮系の12種類の弁当を食べた人です。体調不良を訴える声が相次いでいます。どのような体調不良かというと、海鮮をふんだんに使った弁当を食べて、静岡県では85人が下痢や嘔吐などの症状を訴えていて、9月20日時点で少なくとも1人が入院しているということです。
■「ご飯が糸を引く」 食中毒疑い
9月21日時点では、まだ調査中で食中毒が原因とは明らかになっていないですが、弁当の購入者から「ご飯が糸をひく」という問い合わせもありました。
食品問題評論家の垣田達哉さんは「細菌が原因の食中毒が起きた可能性が高い」と話しています。連日暑い日が続いています。食中毒の菌は、温度が20℃以上で増えますが、30℃以上になると爆発的に増殖します。
では、どの過程で菌が増えたのでしょうか。弁当の製造から輸送・販売・食事の流れがありますが、垣田さんによると、2つ可能性があるということです。
【原因】
▼弁当の製造工程の衛生管理で問題があったのではないか
▼飛行機や車に乗せるまでの間、積み込むまでの温度管理に問題があったのではないか
弁当を製造する時の注意点です。弁当を卸す同業者の方に聞きました。
【製造現場で注意していることは?】
・海鮮弁当の食材で、例えば、いくらは殺菌後にタレに漬けるなど、菌がない状態にする
・ご飯は仕入れる際に菌を検査して、そもそも持ち込ませない。そして、ご飯を炊いてからも、冷まして盛り付けする。温度が高いと菌が増殖してしまうので、冷ますことも大事
・全国のスーパーに空輸する際も、ドライアイスを入れて温度管理を徹底する
「連日暑いので、いろんな要因が重なって起きたのかな。同じ弁当業者として、気が引き締まる思いです」という不安も話していました。
ホラン千秋キャスター:
各家庭は、暑い時期は特に気をつけてらっしゃると思いますが、お弁当という形がゆえに全国で輸送や販売されて体調不良を訴えている方が、増えてしまったということですよね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
青森県で作った物が、熊本県でも売られているということですからね。相当広範囲に販売されていますよね。2023年は「暑い」ですよね。先日、福島に帰る機会がありましたが、東京駅で、ものすごい量の海鮮の弁当とか売ってて、この暑さで大丈夫かなと思いました。
井上貴博キャスター:
猛暑だからこそ、業者も相当気をつけていたと思いますが、どの段階で菌が入ったのか、製造段階なのか流通なのか。原因を特定しないと、ニュースが広がっていけば「八戸」とか「駅弁」とか、ざっくりとしたイメージで、マイナスイメージだけが広がってしまうのは同業者も、すごくダメージが大きいと思います。
星浩さん:
広域で調査する体制が必要だと思います。
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