線状降水帯による大雨被害 啓翁桜の特産地で耕作放棄の危機 富山【現場から、】|TBS NEWS DIG

線状降水帯による大雨被害 啓翁桜の特産地で耕作放棄の危機 富山【現場から、】|TBS NEWS DIG

線状降水帯による大雨被害 啓翁桜の特産地で耕作放棄の危機 富山【現場から、】|TBS NEWS DIG

シリーズ「現場から、」です。今年7月に富山県を襲った線状降水帯による大雨。富山市の中山間地にある桜の産地では、小さな被害が多発し、耕作放棄の危機を迎えています。

清水営農組合 山崎巌 代表理事
「啓翁桜の植えたばっかりの木です。あっちは2年目、こっちは1年目」

富山市の中山間地域にある山田清水。真冬に一足早い春を届ける「啓翁桜」。その特産地として知られるわずか27世帯の小さな集落です。この啓翁桜のほ場では…

清水営農組合 山崎巌 代表理事
「ここからばさーっと土砂。ここの崩落したところって草も何も生えていませんから、また雨が降れば崩落していきますから、雨対策です。ブルーシートが集落中にあちこちにありますけど、ブルーシートの代金だけでも大変なもんですよ」

この被害をもたらしたのが、今年7月に富山県内を襲った線状降水帯による大雨です。大規模な土砂崩れや住宅の床上浸水など、各地で大きな被害が出ました。山田清水でも、農地や農業施設の被害は50か所にものぼりました。

清水営農組合 山崎巌 代表理事
「こまかい被害の数が多いのが今回の特徴。1か所でどさっとでかいところがやられたりすると、テレビとか取り上げて。こういうやつ見向きもしてくれない」
「ここまで全部土砂が埋まっていて通行できなくなっていたんです。ここ通れないと、下のほ場に行けませんので」

稲刈りのためにこの農道の土砂は重機とダンプを使い、住民らで撤去しましたが、ほとんどの被害は手つかずのままです。

清水営農組合 山崎巌 代表理事
「もうコンクリ1枚しかないから。下はもう何もないんです、えぐられて」

農道の下の土砂が崩れて、コンクリートだけが残された状態です。この先に水田がありますが、今年の収穫は諦めました。

清水営農組合 山崎巌 代表理事
「こういうのに地元でどれだけ負担しろって言われた時に、私らの集落も隣りの集落も、『じゃあ、やめよう』ってなって、ここから先にそんなに大した農地はないわけやから、今までここに生まれ育った者の義務みたいにやっとったから」

過疎化と高齢化の中、やっとの思いで農地を守り続ける中山間地域の集落。たとえ国や市の助成を受けて住民負担がわずかになっても、積み重なる復旧工事が重くのしかかってきます。

清水営農組合 山崎巌 代表理事
「こういう条件不利地がますます耕作放棄地になって、10年後にはここがイノシシのいいすみかになるんですよ」

災害をきっかけに農地の荒廃が一気に進むかもしれないと、「啓翁桜の里」は危機感を募らせています。

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