「責任の追及ではなく安全の確立を」JR福知山線脱線事故の遺族が台湾で会合に参加 鉄道の安全を訴え

「責任の追及ではなく安全の確立を」JR福知山線脱線事故の遺族が台湾で会合に参加 鉄道の安全を訴え

「責任の追及ではなく安全の確立を」JR福知山線脱線事故の遺族が台湾で会合に参加 鉄道の安全を訴え

 鉄道の安全について、日本と台湾で新たな交流が生まれました。18年前に起きたJR福知山線の事故の遺族が先週、台湾に招かれ自らの体験や安全への思いを伝えました。

 台湾で開かれた「鉄道の安全」について考える会合。そこに出席したのはJR脱線衝突事故の遺族、淺野弥三一さん(81)です。

 淺野さん
「私も遺族になって初めて遺族というのはこういう心情であり、立場になるのかということがよくわかりました」

 淺野さんは妻・陽子さんと妹のちづ子さんを亡くし、娘も生死の境をさまよいました。

 淺野さんが、一貫して追求してきたのは事故の原因と安全の確立でした。

 淺野さん(当時63歳)
「なぜ106人も死ぬようになったのか。反省に至る根拠・理由があるはずです。それを説明するのが説明責任じゃないのですか」

 淺野さん
「僕もそこそこいい歳になってあまり世の中とケンカするつもりはないが、安全については、妻と妹を持っていかれた人間としては黙っているわけにはいかない」

 2018年、台湾鉄道の特急「プユマ号」が速度超過で脱線。福知山線の事故と同じような構図(18人死亡 17人重傷 274人軽傷)でした。

 そのわずか3年後、特急「タロコ号」が線路脇からすべり落ちてきた工事車両にぶつかり脱線。多くの家族連れが乗っていて、49人が死亡しました。

 2つの大事故が相次いだ台湾。安全対策は急務の課題で、日本の国土交通省にあたる交通部が、日本の専門家を通じて淺野さんを招いたのです

 タロコ号の事故の原因について「台湾鉄道」の幹部らは、調査委員会の資料に基づいて説明。下請けである工事業者のミスを複数示しました。

 淺野さん
「自らの組織にメスを入れないと。そこの勇気が大事なんですよ。JR西日本も同じなんですよ。先ほどからいろいろ弁解されているように見受けられますが、弁解は要らないんです。人が亡くなっている。そのことを自覚した時に事業者としては弁解ではなくて、自ら事故原因を分析して説明する、その責任を果たしてください」

 今回の訪問で淺野さんは事故の遺族とも交流。加害企業のJRに対して「責任の追及」ではなく「安全の確立」を求め続けきたことを伝えました。

 脱線事故から18年。日本の教訓が台湾でどう生かされるのか。取り組みはこれからです。
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