万博開催へ「立て直し」に本腰 首相と府知事ら“異例”の会合 経済界の『SOS』で先月遅れに気づく

万博開催へ「立て直し」に本腰 首相と府知事ら“異例”の会合 経済界の『SOS』で先月遅れに気づく

万博開催へ「立て直し」に本腰 首相と府知事ら“異例”の会合 経済界の『SOS』で先月遅れに気づく

 先ほどまで東京の総理大臣官邸では岸田首相や大阪府の吉村知事が出席し、大阪・関西万博の会合が行われていました。官邸前から中継でお伝えします。(取材・報告=加藤沙織記者)

 加藤沙織記者
「異例のフルオープンで行われた大阪・関西万博についての会合は約30分前に終了しました。会合を終えた吉村知事は『国と一緒になって成功させたい』と述べるに留まりました」

 黒木千晶キャスター
「今回、岸田総理も出席した関係者会合がフルオープンで行われたというのは、かなり異例とのことですが、どういった狙いがあるのでしょうか?」

 加藤記者
「はい。官邸側が、ようやく準備の遅れの深刻さに気が付いて本腰を入れ始めた『証し』と言えます。複数の政府関係者によりますと、岸田総理やその周辺が準備の遅れに気づいたのは先月だということで、経済界からの『SOS』で気が付いたということです。

 そこで、今月に入り、万博協会に経済産業省の前の事務次官らを送り込み、立て直しに乗り出したというわけですが、政府関係者の一人は、『今日の会合を<再スタート>に位置付けたい』と話していました」

 黒木キャスター
「そもそも、なぜ海外パビリオンの建設やその対応にこれだけの『遅れ』が出ているのでしょうか」

 加藤記者
「準備が遅れているという状況を大阪府・市と国の間で共有できていなかったことが大きいとみられます。安倍政権や菅政権では、総理自らが維新の幹部と直接緊密な連携をとっていたのですが、岸田政権になってからはそのパイプはありません。

 吉村知事は今月の「ten.」に出演した際、『自身が問題を把握したのは5月末だった』と発言していまして、岸田総理が経済界からの指摘を受けたのは先月のことですから、2か月の開きがあります。少なくとも、万博問題においては、岸田政権と維新とのパイプが機能していないと言えます」

 黒木キャスター
「この『遅れ』は、これから挽回することはできるのでしょうか」

 加藤記者
「一つは『タイプX』という、簡素化させる方式のパビリオンへの変更も提案しているところなのですが、協会幹部によりますと、現状、タイプXは打開策の一手とまでは至っていないようです。各国、国内でタイプAでの建設に向けて手続きを進めているなかで、変更に時間がかかってしまうという声も聞かれています。

 そしてもう一つ、これから鍵となるのが『公明党』の存在です。工事で課題といいますと、やはり建設業界の人手不足が一番大きいですけれども、これについて経産省の幹部は『これは国交省の管轄だ』と指摘する声もありました。

 この10年、国土交通大臣は公明党が担っていますので、自民党内では、今日の会議に出席した斉藤国交大臣をはじめ、公明党がどのように今後万博問題に関わっていくかが、これからを左右すると指摘しました」
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