【手作り解説】「選手を守るためには何が必要?」ワリエワ選手のドーピング問題 過去にロシアが国ぐるみで行ったドーピングの闇とは・・・【サンデーM】
ドーピング問題の渦中、4位という結果に終わった女子フィギュアのワリエワ選手。15歳の身に、一体何が起きたのか。周囲にも厳しい目が向けられる中、過去に、ロシアが行った「国ぐるみのド―ピング」から見えてきたものとは・・・
ショートプログラムでは圧倒的な滑りを見せた、ROC=ロシアオリンピック委員会のワリエワ選手。フリーでは一転、7回のジャンプの内、5回ミス。4位に終わりました。
17日に行われた会見で、ドーピング問題について問われたIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は「選手個人でドーピングを行うことはまれで、15歳という年齢からも、周囲の者の存在を追及する」としています。
今回、スポーツ仲裁裁判所は、ワエリワ選手の出場を認めたわけですが、その理由として、WADA(ワダ)=世界アンチドーピング機関の規定では、16歳未満は保護されるべきで、今回の五輪期間中の検査で陰性だったことなどを挙げ、出場の機会を奪うことは、取り返しのつかない損害をあたえる、としたのです。
しかし、この判断に対しWADAは声明で「我々の規定が意図しない形で書き換えられている」と反論した上で、これでは16歳未満は「明確な説明なしに競技ができることになり、『危険な前例になる』」と批判しています。
去年12月にワリエワ選手から検出された薬物「トリメタジジン」は心臓疾患に使われる薬です。血流を良くすることで、持久力を上げる効果があるとされています。
ワリエワ選手の母親は「心臓疾患を抱える祖父と同じグラスを使ったことで陽性となった可能性がある」と話していると言いますが、アメリカ・CNNは、米アンチドーピング機関の委員長の見立てとして、「検出されたトリメタジジンの濃度が1ミリリットルあたり2.1ナノグラムと極めて高く、競技力向上のため意図的に服用したのではないか」と報じるなど、見方は分かれています。
ロシアのドーピングへの疑惑がぬぐえないのは、過去の問題あるからです。それが、2011年から2015年に行われた「国ぐるみのドーピング」です。
2014年のソチオリンピックでロシアは、検体の保管場所の隣に部屋を確保。そして壁に、通称「マウス・ホール」という、ねずみが通れるほどの穴をあけ、そこから選手の検体を持ち去り、クリーンな検体と中身をすり替えたりしていたのです。
こうした不正で、IOCはロシアの出場資格を停止し、ソチで獲得したメダルの内13個をはく奪しました。2018年にロシアは、参加資格を取り戻すためドーピング検査の結果をWADAに提出しました。
しかし、この結果すらも、改ざんされていたことが発覚。未だにロシアはオリンピックなどの国際大会へ、国としての参加を禁じられたままです。
今後、焦点となるのが、ワリエワ選手が既に獲得しているフィギュア団体の金メダルの行方です。日本アンチドーピング規律パネル委員長で、スポーツ仲裁裁判所で仲裁人も務める早川弁護士は「選手がどれだけ不正に関わっているかで、資格停止処分の期間が変わる。五輪開催期間と被るようなことになれば、メダルのはく奪は免れない」と言います。
また、今回ワリエワ選手を出場させたことについても「自分が仲裁人だったら絶対に出場させていない。出場させることが選手を守ることにはつながらない」として、若い選手をドーピングや、商業化するスポーツから守る手立てが必要だと訴えています。
(「サンデーモーニング」)2022年2月20日放送より
(20日11:16)
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