積み上げてきたのにマイナスは嫌どうなる骨太の方針に明記の退職金の税制見直し大転職時代に突入かnews23TBSNEWSDIG

積み上げてきたのにマイナスは嫌どうなる骨太の方針に明記の退職金の税制見直し大転職時代に突入かnews23TBSNEWSDIG

「積み上げてきたのにマイナスは嫌…」どうなる?骨太の方針に明記の“退職金の税制見直し” 大転職時代に突入か?【news23】|TBS NEWS DIG

終身雇用を前提とした働き方を見直し成長産業への転職を促そうと、政府が打ち出した「労働市場改革」。その柱の1つが勤続年数が長くなるほど優遇されてきた退職金の税制見直しです。多くの人にとって老後の資金にもなる退職金。どう変わっていくのでしょうか?

■従来の制度では、転職すると退職所得控除が減って不利に?

久保田智子キャスター:
退職金見直し、大転職時代に突入?

さて、政府が骨太の方針で打ち出したのが「労働市場改革」というものでした。日本は終身雇用を前提としてきましたが、働き方を見直して、成長産業への転職を促す狙いがあるということです。

その柱の一つとして盛り込まれているのが、勤続年数が長いと優遇される、退職金の税制の見直しというもの。そもそも皆さん、退職金にどれぐらい税金がかかっているかご存じですか?

山本恵里伽キャスター:
私、税金がかかるということを知らなかったです。ごめんなさい。

久保田キャスター:
自分事になるという年齢じゃないですよね。

小川彩佳キャスター:
私も退職していますが、退職するまで考えたことがなかったですからね。

久保田キャスター:
若いとそうかもしれないですが、長く勤めれば勤めるほど、かなり手厚い優遇があります。具体的な例を見ましょう。

30年働いたAさんは、退職金2000万円を一括で受け取りました。退職所得控除が1500万円あって、残りの500万円の半分は非課税になります。課税対象は250万円になり、計算してみると所得税は約15万円ということで、かなり優遇されているのがわかります。

これをどのように見直していくのか、具体的な内容についてはわかっていませんが、どうも一番ボリュームのある退職所得控除の仕組みが見直されることになりそうです。

では、この額は一体どのように計算されているのか。30年働いたAさんの退職所得控除は1500万円でしたが、勤続年数20年までは1年あたり40万円が控除されて、20年で800万円になります。
そして20年を超えると、1年あたり70万円の控除になって、残り10年で700万円になります。この合計で1500万円になっているのです。

ただ、転職すると額が変わります。Aさん同様に30年働いたBさんは勤続20年で転職しましたが、そうすると勤続年数はリセットされてしまうのです。転職後も1年あたりの控除は40万円のままで、10年で400万円。転職前の800万円(=40万円×20年)と合わせて1200万円の控除になり、Aさんとの300万円の差が転職する人にとっては不利になるため、見直しが検討されているということです。

■退職金制度のために転職へと踏み出せない人々には追い風か

では、実際に働いている人たちはどのように受け止めているのでしょうか?

64歳 定年後も継続雇用
「見直しは、ぜひするべきだと思います。ただ、ずっと長年積み上げてきた人たちがいるから、そこにマイナスになるようなことだったら嫌だなと」

26歳 会社員
「退職金を気にして、なかなか(転職に)一歩踏み出せない人がいると思うんですけど、してもしなくても変わらないという状態になれば、転職する人も増えると思います」

49歳 会社員
「時代の流れではあると思いますが、日本の古くからの良い“終身雇用”が重要視されなくなる時代が来たのかなという気はします」

久保田キャスター:
世代によって、だいぶ感想は違うと思います。

小川キャスター:
私は40歳手前ですが、私よりも上の世代は年功序列や終身雇用が当たり前の時代で、それを前提にキャリアプランや人生プランを立てていました。そこがもう崩れていくというか、根底から働き方や生き方が変わっていくんだな、当たり前になっていくんだなというのはあります。

山本キャスター:
私の場合は30歳前で、同世代の友人を見てみると、みんなほとんど転職しています。転職が当たり前という感じになってきているので、終身雇用という感覚が、20代や30代にはあまりないのかなと。働き方の変化とともに、制度も変えていく必要があるかなと私は思いました。

小川キャスター:
ここ(山本キャスターとの間)で隔絶があります。

山本キャスター:
ちょっと壁がありましたね、今。

久保田キャスター:
もっと上の世代の私には切実ではありますが、確かに従来の制度は、多様な働き方を想定してできているものではないですよね。実際に「今から変えろ」と言われても、困る世代がいるのも事実です。

大和総研の是枝俊悟主任研究員に今回の見直しについて聞くと、「今の会社はミスマッチだなと感じている人にとっては、『退職金制度があるから会社にとどまっている』という選択を変えるきっかけになるのかもしれない」とのことでした。

そのうえで「長年働いた人に負担が生じず、中途退職者に不利にならない制度設計が必要」だとも指摘しています。

#久保田智子

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