まさかそこまでフジテックお家騒動経営主導権争い株主総会で前会長の取締役案否決

まさかそこまでフジテックお家騒動経営主導権争い株主総会で前会長の取締役案否決

「まさかそこまで…」フジテック“お家騒動” 経営主導権争い、株主総会で前会長の取締役案否決

 滋賀県彦根市のエレベーター大手「フジテック」では、創業家と外資系の投資ファンドが経営の主導権をめぐる争いを続けています。21日、その行方を占う株主総会が開かれました。

 21日午前、「フジテック」の本社に株主らが続々と集まりました。

 株主「まさか、そこまで(騒動が)発展すると思わなかったし、これはやはり(株主総会に)参加しないといけない」

 株主総会の注目は、去年から続くいわゆる“お家騒動”です。

 フジテック前会長・内山高一氏「海外の企業に買収されることになりますと、非常に大きな経済安全上の問題が出てくるのではないかと」

 6月2日、現在の経営体制を批判する会見を開いたのは、フジテック創業者の長男、内山高一前会長。

 フジテックは、エレベーターで高い国内シェアを誇ります。戦後間もない1948年に大阪市で創業し、2006年には工場がある彦根市に本社を移しました。

 神田貴央記者「奥に見えるのが本社の施設です。そして目の前にあるこちらの駅が、名前がフジテック前駅となっています。駅名にもなるほど有名な企業なんです」

 そんなフジテックに“お家騒動”が勃発したのは去年5月のこと。株主である香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」が、当時社長だった内山前会長とフジテックの間に「不適切取引の疑惑がある」などと主張したのです。

 内山前会長は「事実誤認だ」などと真っ向から否定し、社長の任期を終えた後、会長に就任しました。

 その後もオアシス側は社外取締役を送り込むなど影響力を強め、今年3月、取締役会で会長の解任を決議し、5月には、内山前会長の後任の社長ら生え抜きの取締役3人も退任が決まりました。

 内山前会長は経営の主導権を取り戻すべく、21日の株主総会に自らが推薦する8人を取締役として選任する議案を提案しました。その結果―。

 楠下一輝記者「株主総会では内山前会長の提案は否決され、フジテック側が提案した取締役の選任が可決されました」

 議案を否決された内山前会長は株主総会の終了後、改めて会見を開きました。

 内山前会長「20年以上、その前からね、結局フジテック、ここまで事業を大きくしたのは誰でしょうか。今まで通りオアシスを追い出し、経営を正常化するまで私としては引き続いて頑張る」

 一方、フジテックは「グループ一丸となって、更なる企業価値向上を目指してまいります」とし、オアシス・マネジメントは「現・取締役会が株主からの支持を受けたことに祝意を表します」などとしています。

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