時計店強盗 実行犯「2人組」逃げた男の行方は? 多発“白昼での犯行”共通点も(2023年6月12日)
神奈川県川崎市の時計店に白昼堂々、覆面姿の男らが押し入り1人が逮捕された事件です。今も1人が逃走中です。取材を進めると、現場から逃げたとみられる男の足取りが浮かび上がってきました。
■白昼堂々 時計店に「覆面強盗」
川崎市の時計店で起きた強盗致傷事件。現場の状況が徐々に分かってきました。現行犯逮捕されたのは、大阪府高槻市に住む八木貴寛容疑者(26)。確保直後、共犯者についてでしょうか、こう話していました。
警察:「友達か?」
八木容疑者:「いや分からないです」
警察:「なんでだ?」
八木容疑者:「いや、本当に分からないです」
警察:「どういうことだよ」
八木容疑者の小中学校時代の後輩:「おとなしいイメージ。そんなはっちゃけているようなイメージない。そんな派手な犯行をするイメージはない」
事件が起きたのは11日午後1時ごろのこと。
近くの人からの110番通報:「ガラスケースを割って『出せ』と言っている」
現場は川崎市の時計店。警察によりますと、店長や店員、客らがいた店内に、男2人が押し入りました。ガラスケースを割りましたが、その後逃走。その際、店員が取り押さえようとしてけがをしました。
容疑者を追った人:「2人だった。黒いマスクを口まで目と口が出ているだけで何も見えない」
時刻は午後1時過ぎと人目も多い時間帯。数々の防犯カメラが、その逃走を捉えていました。
■男の行方は?実行犯「2人組」他にもう1人?
隣の店舗から撮られた映像。八木容疑者とみられる人物が、追いすがる人を振りほどきながら逃げていく様子です。
2つ目はここで撮られた映像。黒い覆面をかぶっているようにも見える男が走り、白い服の人が、指をさし追い掛けます。
最後は路地を曲がるすぐ手前のカメラ。犯行から数分後、こちらの場所で冒頭の映像が撮られます。
警察:「友達か?」
八木容疑者:「分かんない」
警察:「分かんないのかよ」
八木容疑者:「いや、本当に分かんないんです」
警察:「どういうことだよ」
押し入った男は2人。1人は数分後に現行犯逮捕された八木容疑者。まだ見つかっていないもう1人について、車に乗ったという証言もあります。
目撃者:「見た時はそこに車が止まっていて、その車に乗り込もうとしていたのか分からないが、たぶん店員さんがすぐ出てきちゃったから、走って覆面の人は向こうに逃げていって、車の人はそのまま車を走らせた」
店から出た2人。目撃証言によると、待っていた車に乗り込み1人は逃走したということです。走って逃げた男が逮捕された八木容疑者とみられています。仮に運転役がいれば、犯行グループは3人いたことになります。
ただ、別の目撃証言もあります。「走って逃げたのは2人いた」との証言です。
■多発“白昼での犯行”共通点も
目撃者:「自分見たのは2人ですけど、1人はあそこの空き地の所入っていって、もう1人は追い掛けられている人が向こうの十字路曲がった所でっていうのは見ました」
その空き地でも走る男を見た人がいます。
ここは2つ目の走って逃げる映像が撮られた場所です。八木容疑者とは別に“走る男”を見ていました。目撃者によると、男がこちらの店の横にある空き地に入って店の裏を通り抜けて、空き地の反対側にある細い路地から走って出て来たのを見たということです。
目撃者:「(Q.裏通ってこの道を抜けていった?)男、バックサイド(後ろ姿)だけは見ている」
この男性が見ていた場所はこの店。走ってきた男がこの空き地から回り込んでいく様子を見ていました。
目撃者:「(Q.服装は?)Tシャツとパンツ、たぶんブルー。ランニング(走っていた)」
元刑事の佐々木さんは、銀座で発生した強盗事件との共通点を指摘しています。
元埼玉県警・捜査1課刑事、佐々木成三氏:「白昼堂々、かなり雑な手口の強盗。指示役にとって実行犯は“究極の捨て駒”なので闇バイトに関わる強盗事件はそういったメカニズムがある」
犯行の指示役は、いたのでしょうか。
■銀座と関連は “知らない仲間”と役割分担か
現在も1人が逃走中とのことですが、新たな情報は入っているでしょうか。警視庁クラブから報告です。
(社会部・石塚翔記者報告)
川崎市で起きた時計店の強盗事件についてですが、警察への取材で、店に侵入した男2人は、役割を分担し計画的に犯行を行ったとみられることが新たに分かりました。
2人は数分の滞在時間で1人がバールで店内のショーケースを割って、1人が時計などを集めていたということです。
しかし現場で現行犯逮捕された八木容疑者は、確保された際、逃げた仲間について本当に分からないなどと話しています。
(Q.先月銀座でも、時計店で覆面強盗事件が発生している。今回との関連、そして指示役の存在などは分かってきているか?)
銀座で起きた強盗では、16歳から19歳の少年4人が逮捕されましたが、中心的な役割を担った少年が「知り合いに声を掛けた」などと話していることから、身内の不良少年グループによる犯行でこちらは闇バイトの関連性は低いとみられています。
■銀座事件は不良グループの犯行か
ただ、今回の事件のような高級腕時計を狙う強盗事件も増加傾向にあり、ある捜査幹部は「若年層に親和性の高いSNSを使用した多様な犯罪が近年増加傾向にあり、警察や民間が防犯対策を改めて見直す必要がある」と話しています。
また特殊詐欺事件や強盗事件では、警察には“闇バイト”で応募したと言えとリーダーから指示されているケースも多くあり、指示役や背景にいる人間が現場の人間を脅し意図的に闇バイトをにおわせることで、関係性をあいまいにしながら指示役に捜査が及ばなくするやり方も横行しています。
まずは現場での押収物や逮捕した男の供述などから、つじつまが合っているか、慎重に調べながら事件の全容解明が進められます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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