「ありえない」怒号の中強行採決 改正入管法あす成立へ(2023年6月8日)

「ありえない」怒号の中強行採決 改正入管法あす成立へ(2023年6月8日)

「ありえない」怒号の中強行採決 改正入管法あす成立へ(2023年6月8日)

 外国人の強制送還などのルールを見直す入管法の改正案。参議院法務委員会が紛糾するなか、与党などの賛成多数により8日に可決され、9日の本会議で成立する見通しとなりました。

■法務委紛糾…改正入管法 あす成立へ

 立憲民主党・石川大我議員:「この法案は一般的な法案とは違います。人の命がかかっているんです。しかも数千人単位の命を危険にさらす法律なんです」

 共産党・仁比聡平議員:「今からの採決など絶対にありえない。ありえないですよ」

 反対の声が強く上がるなか。

 公明党・杉久武委員長:「これより採決に入ります。賛成の方の挙手を願います。多数と認めます」

 採決は強行されました。自公両党に加え、日本維新の会、国民民主党の賛成で可決したのは入管難民法改正案。難民申請中は送還が一律停止される規定を見直し、3回目以降の申請者は送還できるようにすることが柱です。

 賛成した国民民主党の川合議員。付帯決議案を読み上げましたが、紙を持つ手が激しく震えていました。

 斎藤健法務大臣:「真に庇護(ひご)すべきものはきちんと庇護して、ルールに外れているケースにおいてはルールに従ってしっかりと対応する」

 難民申請中でも送還できるようにする理由を政府はこう強調しますが、日本はほぼ難民を受け入れていないのが現実です。

 社民党・福島瑞穂党首:「立法事実が壊れたのに強行採決なんてあり得ない」

■難民申請「3回以降」で強制送還へ

 政府が法案のよりどころの一つとしているのが、柳瀬房子難民審査参与員の発言です。

 難民審査参与員・柳瀬房子氏:「難民を探して認定したいと思っているのにほとんど見つけることができません」

 難民審査参与員は3人1組で難民と認定されなかった外国人の不服審査を担っています。ただ、参与員が111人いるなか、「申請者に難民はほぼいない」とした柳瀬氏が去年もおととしも審査全体の2割以上、1000件以上を担当しています。

 ミャンマーから逃れたロヒンギャの男性:「日本は難民認定もらうのすごく大変ですよ。何回インタビューに行っても『ビザだめ』『あなただめ』になって」

 こう話すのは、ミャンマーから逃れてきたロヒンギャの男性。難民と認定されたのは3回目の申請の後です。法案が成立すれば3回目以降の申請は強制送還につながる恐れがあります。

 ミャンマーから逃れたロヒンギャの男性:「本当に困っているから難民申請しているんですよ。無理やり帰らされたら、ミャンマーに行っちゃったら捕まっちゃうとか、どうなるか分からない」

 その強制送還がどのように行われるか、弁護士が公開した新たな映像が波紋を広げました。入管職員が無理やり男性を押さえ付ける様子が収められています。

■ウィシュマさん遺族「本当に残念」

 入管施設で死亡したスリランカ人、ウィシュマ・サンダマリさんの遺族も参院法務委員会を傍聴していました。

 ウィシュマさん遺族:「日本にいる外国人とか私の姉のためにも、たくさんの方が声を上げているのはありがたいが、それを聞く姿勢が政府にないのは本当に残念だと思います」

 法案は9日、参院本会議で成立する見通しです。

 20代大学生:「今回、可決されてしまって、自分たちみたいな人間は諦めると思われているかもしれないが、やはり今後も声を上げ続けていきたい」「私たちが声を上げ続ける限り、希望は失われないと信じています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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