「血、涙、娘の怒り、叫び声が詰まった記録だった」亀岡暴走事故の記録廃棄 最高裁が遺族に経緯を説明

「血、涙、娘の怒り、叫び声が詰まった記録だった」亀岡暴走事故の記録廃棄 最高裁が遺族に経緯を説明

「血、涙、娘の怒り、叫び声が詰まった記録だった」亀岡暴走事故の記録廃棄 最高裁が遺族に経緯を説明

 2012年に京都府亀岡市で10人が死傷した車の暴走事故の記録が廃棄されていた問題で、6日、最高裁判所の職員が遺族のもとを訪れ、廃棄に至った理由などを説明しました。

 最高裁判所は、"社会の耳目を集めた事件"の記録については、事実上、永久保存することを求めていますが、去年10月に、神戸家庭裁判所が26年前に起きた児童連続殺傷事件に関するすべての記録を廃棄していたことが発覚して以降、全国の家庭裁判所で記録の廃棄が起きていたことが判明しました。

 京都家裁は、2012年、京都府亀岡市で登校中の児童らの列に車が突っ込み10人が死傷した事故の記録を廃棄していたことが分かっています。

 先月、最高裁は、全国での廃棄問題について調査報告書を公表し、亀岡の事故の件については、京都家裁の担当者が「罪名が殺人などの重大なものではなく、少年記録はプライバシーの問題から原則廃棄と考えていた」と説明していることが明らかになりました。

 事故で娘を亡くした中江美則さんは、京都家裁による記録廃棄が判明したのち、最高裁に経緯の説明と遺族の意見を聴取するよう要望書を提出しました。

 中江美則さん
 「血と涙と娘の怒りと叫び声があの中に詰まった記録だったと思いますし、史料価値がないという形を示されたことにショックを抱きました」

 そして、6日、京都家裁で最高裁の職員が娘を亡くした中江美則さんに経緯を説明しました。

 説明を受けた後、中江さんは取材に対し謝罪を受けたことを明かし、「深く考えていただいているのかなという風な思いを感じました」とコメントしました。

 中江美則さん
 「もうこれで終わりじゃない、これからが始まりやでということで緊張感もってやってほしいって思います」
【相次ぐ記録廃棄】
 最高裁は先週には、神戸児童連続殺傷事件の遺族に経緯などを説明しました。
 
 遺族・土師守さん
 「裁判を遂行するための資料であるっていう考えが中心であって、これが歴史的な資料であるっていう考え方が完全にかけていたと思います。私自身はこの事件は、歴史だと思っているので、そういう意味での違いは、認識の違いは大きいと思います」

 最高裁は、今後、社会的に意義のある記録を確実に引き継いでいくために、裁判所での態勢を整備していくとしています。

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