“記録庫が狭い”から…永久保存の“重大裁判記録”、相次いで廃棄 最高裁が報告書公表「後世に引き継ぐべき記録失わせ、国民の皆様にお詫び」|TBS NEWS DIG
全国の裁判所で、本来、永久保存すべき重大な裁判の記録が相次いで廃棄されていた問題。最高裁はさきほど、調査報告を公表しました。
亀岡暴走事故の遺族 中江美則さん
「娘の叫びと無念と怒りの詰まったあの記録をゴミ同然にしたんやな」
神戸連続殺傷事件遺族 土師守さん
「被害者が生きた証そのものを奪っていくこと」
家族を事件や事故で失いましたが、せめてその裁判記録は後世に残してほしいという遺族の望みは絶たれました。
およそ半年前、神戸連続児童殺傷事件など、裁判所の重大な事件記録廃棄が相次いで発覚した問題。最高裁はきょう、調査結果をまとめた報告書を公表しました。
最高裁判所事務総局 小野寺真也総務局長
「後世に引き継ぐべき記録を多数失わせたことに深く反省し、事件に関係する方々を含め、国民の皆様にお詫びします」
なぜ廃棄はおきたのでしょうか?
判明している不適切な記録廃棄はおよそ90件。共通する原因は、スペースに限りがあることなどから記録の保存に消極的だったこと。また、国民の財産として後世に引き継ぐ意識が薄かったというものです。
さらに、ずさんな管理の実態も報告されました。
土師淳くんら児童が殺傷された神戸連続児童殺傷事件。少年Aの裁判記録廃棄の原因は…
報告書より
「廃棄担当の管理職は、所長を含む複数の管理職に話を持ちかけたが、所長は明確な判断は示さず、他に保存すべきという者もいなかった」
結局、神戸家裁の職員は記録庫が狭いことなどから所長の判断を経ず、永久保存すべきものとせずに廃棄しました。
大分県立竹田高校で、剣道部の顧問から厳しい指導を受けた工藤剣太さん(17)が熱中症で死亡し、両親が学校側を訴えた裁判。
大分地裁の職員は、一度は永久保存すべきものと判断していましたが、そのことを記録の表紙に朱書きするなどの決められた手続きを怠り、後任への引き継ぎ内容が忘れられたこともあって廃棄されました。
工藤さんの両親はさきほど…
工藤剣太さんの父 英士さん
「考えられない手落ちだと思います」
今後の記録保管ついて、最高裁は国立公文書館への移管を検討することなどを打ち出しています。
しかし、遺族たちは…
工藤剣太さんの父 英士さん
「復元して後世に残す。そういう作業はしっかりとやってもらいたい」
亀岡暴走事故の遺族 中江美則さん
「全て(裁判の)記録はね、犠牲者のもの。当事者にこれからも確認して、廃棄するならするということをちゃんと理解してもらったうえで行ってもらいたい」
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